ハンチントン病患者におけるpridopidineの1年間投与の安全性と忍容性プロファイル
One-year safety and tolerability profile of pridopidine in patients with Huntington disease
Squitieri F, Landwehrmeyer B, Reilmann R, Rosser A, de Yebenes JG, Prang A, Ivkovic J, Bright J, Rembratt A.
Centre for Neurogenetics and Rare Diseases, IRCCS Neuromed, Pozzilli, Italy. squitieri@neuromed.it.
Neurology. 2013 Mar 19;80(12):1086-94
ドパミンスタビライザーであるpridopidineのハンチントン病患者における1年間の安全性プロファイルを検討した。
MermaiHD試験(コメント参照)の6ヵ月にわたる無作為化比較試験(randomized controlled trial:RCT)期間に引き続き、6ヵ月のオープンラベル延長(open-label extension:OLE)期間では、最初の4週間はpridopidineを45 mg/日、続く22週間は90 mg/日で投与し、有害事象(AE)は全て記録。
RCT期間を完了した386例のうち353例がOLEに参加し、305例(86.4%)が合計1年間の治療を完遂。1年間に1件以上の重篤なAEを報告した症例の割合は、プラセボ群8.0%[n=9/113]、45 mg/日群12.8%[n=16/125]、90 mg/日群8.7%[n=10/115]。RCT期間とOLE期間のAEプロファイルは類似しており、最も多く報告された事象は転倒と舞踏運動の悪化であったが、臨床検査値の変化はなかった。
pridopidine(90 mg/日以下)は安全性プロファイルを有しており、1年間の忍容性は良好である。
コメント
本論文の著者の一人であるde Yebenes JGらは、遺伝性の神経疾患で、不随意運動、精神症状、認知障害などの臨床像を特徴とするハンチントン病(HD)患者を対象に、ドパミン・システム・スタビライザー(Dopamine System Stabilize:ドパミン作動性神経伝達が過剰活動状態の場合には、ドパミンD2受容体のアンタゴニストとして作用し、ドパミン作動性神経伝達が低下している場合には、ドパミンD2受容体のアゴニストとして作用する)であるpridopidineの第III相試験(MermaiHD試験)を実施し,効果は限定的だが運動機能に対する有効性を報告した(Lancet Neurology 2011; 10: 1049-1057)。 本論文は、MermaiHD試験後に引き続き、忍容性をみたものであり、クラスIVのエビデンスの安全性を確認したものである。最近HDに舞踏運動抑制にモノアミン小胞トランスポーターtype2阻害剤であるテトラベナジン(コレアジン®)の保険適応が認められたが、未だHD診療においては対症療法薬さえほとんどない。Pridopidineの今後の臨床試験の進捗状況が気になる。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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