アイスランドの出生コホートにおける自閉症スペクトラム障害の有病率
Prevalence of autism spectrum disorders in an Icelandic birth cohort
Saemundsen E, Magnússon P, Georgsdóttir I, Egilsson E, Rafnsson V.
Division of Autism, State Diagnostic and Counselling Centre, Kopavogur, Iceland.
BMJ Open. 2013 Jun 20;3(6). pii: e002748. doi: 10.1136/bmjopen-2013-002748. Print 2013.
本研究はアイスランドにおける1994〜1998年に出生した小児自閉症スペクトラム障害(ASD)に関する国内のデータベースにおいて臨床的診断されたASDの有病率と合併疾患を検討した。
アイスランドにおける2つの3次医療機関の症例である。出生コホートに小児22,229人が登録されていた。ASDと診断された児は267例(男児197例、女児70例)であった。全例が身体検査、神経学的検査、標準的なASDの鑑別診断、認知機能検査を受けた。ASDの診断は、多職種の協働チームで行った。医学的状態と染色体検査に関する情報は病院の疾病登録記録と照合した。
全ASDの有病率(対1万人)は120.1(95%CI 106.6〜135.3)、男児172.4、女児64.8であった。合併症は、てんかん7.1%を含めて17.2%であった。認知障害(知能指数<70)を有するASD症例の割合は45.3%、知的障害(ID)と診断されたのは34.1%であった。
コメント
アイスランドでは国民の健康記録だけでなく最近は人間の遺伝情報のデータベースも作られている。倫理的な問題が克服されている訳ではないが各種疾患の遺伝的要因を持つ者を追跡した医学研究が実施されている。本研究はASDについて出生コホートを用いて臨床診断された有病率をみたものである。臨床診断有病率は過去の研究よりも高かったがASDの有病率は最近の非臨床研究で判明したものと同レベルであった。合併症を持つ者が多かったことから合併症に対応するためには早期診断が必要である。就学後は臨床診断を受ける機会が乏しいことが課題である。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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