骨密度スクリーニングの再検査による股関節部および主要骨粗鬆症性の骨折予測
Repeat Bone Mineral Density Screening and Prediction of Hip and Major Osteoporotic Fracture
Berry SD, Samelson EJ, Pencina MJ, McLean RR, Cupples LA, Broe KE, Kiel DP.
Institute for Aging Research, Hebrew SeniorLife, Boston, Massachusetts 02131, USA. sarahberry@hsl.harvard.edu
JAMA. 2013 Sep 25;310(12):1256-62. doi: 10.1001/jama.2013.277817.
1987年から1999年にFramingham Osteoporosis Studyに参加し大腿骨頚部骨密度を2回測定した男性310例、女性492例を対象としたコホート研究である。4年後に骨密度を再検し、2009年中または2回目の骨密度測定後12年間の股関節部骨折と主要骨粗鬆症性骨折のリスク予測の追加情報が得られるかどうかを検討した。
対象者の平均年齢は74.8歳、骨密度の平均変化(SD)は、1年に−0.6%(1.8%)であった。追跡調査中央値9.6年間において、76例が偶発性の股関節部骨折、113例が主要骨粗鬆症性骨折を経験した。年間骨密度の1SD低下はベースラインの骨密度補正後の股関節部骨折のリスク(ハザード比1.43[95%CI 1.16〜1.78])、主要骨粗鬆症性骨折のリスク(ハザード比1.21[95%CI 1.01〜1.45])であった。
年間骨密度の1SD低下により100例につき股関節部骨折が3.9例増加していた。ROC曲線解析では骨密度の変化データを追加しても精度に意味のある向上は認められなかった。ROC曲線下面積も骨密度の変化データを追加しても意味のある向上は認められなかった。2回目の骨密度測定で、股関節部骨折リスクが高いと再分類された者は3.9%(95%CI −2.2%〜9.9%)増加し、リスクが低いと再分類された者は−2.2%(95%CI −4.5%〜0.1%)減少した。
つまり、平均年齢75歳の未治療の男女において、4年後の2回目の骨密度測定では、股関節部骨折と主要骨粗鬆症性骨折の予測に意味のある向上は認められなかった。
コメント
高齢者の骨折、特に股関節部の骨折は寝たきりの原因となる。また、骨密度の低い骨粗鬆症は骨折のリスクを高めることが知られている。そのために骨密度を測定する検査は有用とされている。本研究は、この検査を高齢者に対し一定の時期に再検して得られた情報が骨折予測に有用かどうかを検討したものである。結論としては4年以内に繰り返しても骨粗鬆症未治療者には意味がないというものであった。本研究は高齢者に対する研究であり、若い人に骨密度測定の再検の意義があるかないかを示したものではない。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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