全身性硬化症患者の皮膚ではインターロイキン-17A陽性細胞数が増加しており、その数は皮膚病変の程度と逆相関する
Interleukin-17A+ cell counts are increased in systemic sclerosis skin and their number is inversely correlated with the extent of skin involvement.
Truchetet ME, Brembilla NC, Montanari E, Lonati P, Raschi E, Zeni S, Fontao L, Meroni PL, Chizzolini C.
Geneva University Hospital, Geneva, Switzerland.
Arthritis Rheum. 2013 May;65(5):1347-56. doi: 10.1002/art.37860.
全身性硬化症(SSc)患者の滑液中ではインターロイキン-17A(IL-17A)が増加していることが知られているが、本研究では患者の皮膚病変について検討した。
SSc患者8例と健常人対照8例から皮膚生検検体を得て、免疫組織化学的検討により細胞サブセットの同定と定量を行った。またこれらの検体から得た皮膚線維芽細胞を培養し、定量PCR法、ウェスタンブロット法によりα-平滑筋アクチン(α-SMA)、I型コラーゲン、MMP-1の発現・産生を調べた。
IL-17A陽性細胞は、対照に比べSSc患者の皮膚(表皮と真皮の両方)で有意に多く認められた(P=0.0019)。T細胞とトリプターゼ陽性の肥満細胞がIL-17Aを産生していた。α-SMA陽性の線維芽細胞(筋線維芽細胞)は、IL-4陽性細胞ではなくIL-17A陽性細胞の近傍に存在していた。しかし培養線維芽細胞においてIL-17Aによるα-SMA発現の誘導は認められなかった。TGF-βにより誘導されるα-SMA発現は、IL-17A存在下で抑制されたが、マトリックスメタロプロテアーゼ-1(MMP-1)産生はIL-17Aにより直接促進された。さらに、より重度の皮膚線維化を示すSSc患者の皮膚では、IL-17A陽性細胞の頻度がより高くなっていた。
これらの結果から、炎症に関係するIL-17Aは、ヒトにおける皮膚線維化の発症に対しては抑制的に働くことが示された。
コメント
全身性硬化症の皮膚硬化における免疫反応はあまり知られていない。本研究によって線維芽細胞の活性にTh17細胞が関与し、また肥満細胞の関与が示唆された。これらの細胞から産生されるIL-17Aは線維芽細胞のα-SMAの産生を抑制し、MMP-1の産生を促進することが示された。またIL-17AはTGF-βによるMMP-1の産生を亢進させるようである。これらの現象が皮膚硬化の機序の一部を示していると考えられる。
監訳・コメント:大阪大学大学院 工学研究科 吉崎 和幸先生
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