若年患者における一過性脳虚血発作(TIA)又は脳卒中後のてんかんにより長期の機能的転帰が悪化する:FUTURE試験
Epilepsy after TIA or stroke in young patients impairs long-term functional outcome: The FUTURE Study
Arntz RM, Maaijwee NA, Rutten-Jacobs LC, Schoonderwaldt HC, Dorresteijn LD, van Dijk EJ, de Leeuw FE.
From the Department of Neurology, Radboud University Nijmegen Medical Centre, Donders Institute for Brain, Cognition and Behaviour, Nijmegen, the Netherlands.
Neurology. 2013 Oct 30. [Epub ahead of print]
若年の脳卒中生存者において脳卒中後のてんかんが長期の機能的転帰に与える影響を18〜50歳の初発の一過性脳虚血発作(TIA)、虚血性脳卒中、又は脳内出血(ICH)性卒中の生存者537例を対象とした前向きコホート研究で検討した。平均9.8年(SD 8.4)の追跡調査の後、脳卒中後のてんかん及び機能的転帰の評価を含む追跡評価を実施した。
虚血性脳卒中の患者40例(12.7%)、TIAの患者4例(2.2%)、ICHの患者10例(25.6%)が脳卒中後にてんかんを発現した。てんかんを発現した虚血性脳卒中の患者は、てんかんを発現していない患者よりも、修正Rankinスケール(mRS)と手段的日常生活動作(IADL)両方の機能的転帰が不良であることが多かった([mRSスコア>2]7.5% vs 9.8%、P=0.001[IADLスコア<8]27.8% vs 12.6%、P=0.02)。TIA及びICHの患者では、てんかんは機能的転帰に関連しなかった。
重回帰分析を行い、mRSにより評価した虚血性脳卒中後の機能的転帰不良に関して、てんかんが独立予測因子であることが明らかになった([mRSスコア>2]オッズ比3.38、95%信頼区間1.33〜8.60)。一方、IADLにはこのような関連は認められなかった。
コメント
若年患者における虚血性脳卒中後のてんかんは、機能的転帰にマイナスの影響を与える頻度の高い問題であることを指摘した論文である。TIAやICHの場合は関連がない点(ICHの場合、てんかん併発率は高い)や、また虚血性脳卒中においてもIADLとは関連がない点など今後の検討が必要かもしれない。しかし、抗てんかん薬の持続的な服用、発作間欠期の様々な神経症状、その他社会的なさまざまな制約などが機能的転帰にマイナスを与える可能性も暗に指摘していると考えられ、今まであまり注目されてこなかった問題を指摘した点で注目すべき論文と思い取り上げた。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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