中等症から重症の変形性関節症患者における関節全置換術と重篤な心血管イベントのリスクとの関連:傾向スコアでマッチさせたランドマーク解析
The relation between total joint arthroplasty and risk for serious cardiovascular events in patients with moderate-severe osteoarthritis: propensity score matched landmark analysis
Ravi B, Croxford R, Austin PC, Lipscombe L, Bierman AS, Harvey PJ, Hawker GA.
Division of Orthopaedic Surgery, Department of Surgery, University of Toronto, Canada.
BMJ. 2013 Oct 30; 347:f6187. doi: 10.1136/bmj.f6187.
中等症から重症の変形性関節症患者において股関節及び膝関節の関節全置換術を行うことにより重篤な心血管イベントのリスクが低下するかどうかについて検討したものである。
研究対象は、カナダのオンタリオ州において1996〜1998年に55歳以上であった変形性関節症を有する成人で死亡または2011年まで追跡調査できた2,200例であった。この中から中等症から重症の関節炎を有する参加者を傾向スコアでマッチさせたペア153組について分析を行った。
ランドマーク日(試験開始日)から7年後の追跡調査期間中央値において関節全置換術を受けた参加者と受けていない参加者の心血管イベントの経験率を比較すると、受けた者において有意に経験率が低かった(ハザード比0.56、95%信頼区間0.43〜0.74、P<0.001)。7年以内の絶対リスクの低下は12.4%(95%信頼区間1.7%〜23.1%)であり、要治療者数は8例(95%信頼区間4〜57患者)であった。
コメント
運動不足が、肥満や心血管疾患の増加につながることが知られている。本研究は、進行性の変形性股関節症または変形性膝関節症の地域住民コホート研究により、関節全置換術を受けた者では、運動制限が緩和されることなどにより、循環器疾患の発生が低下することを示したものである。変形性関節症の治療の効用として、患者のQOLの向上のみならず、心疾患など他疾患の発生予防にもつながることを示したもので価値がある。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
PudMed: