変形性膝関節症又は変形性股関節症患者に対してジクロフェナク徐放性製剤と併用する場合のtanezumabの有効性と安全性の検討:二重盲検、プラセボ対照、並行群間、多施設間、第III相無作為化試験
Efficacy and safety of tanezumab added on to diclofenac sustained release in patients with knee or hip osteoarthritis: a double-blind, placebo-controlled, parallel-group, multicentre phase III randomised clinical trial.
Balanescu AR, Feist E, Wolfram G, Davignon I, Smith MD, Brown MT, West CR.
Department of Internal Medicine and Rheumatology, Sf. Maria Hospital, University of Medicine and Pharmacy Carol Davila, Bucharest, Romania.
Ann Rheum Dis. 2013 Jul 12. doi: 10.1136/annrheumdis-2012-203164. [Epub ahead of print]
ジクロフェナク経口徐放剤(75 mg、1日2回)の投与を受けている中程度から重度の変形性関節症患者(604例)を対象に、ジクロフェナクと併用してtanezumab(10、5、2.5 mg)またはプラセボを0週目、8週目、16週目に静脈投与した。16週目に主要評価項目(西オンタリオ・マクマスター大学の変形性骨関節症指数[WOMAC]の疼痛スコア及び身体機能スコア、並びに変形性関節症の患者による全般評価)を検討した。
全ての主要評価項目について、プラセボ+ジクロフェナク群と比較してtanezumab+ジクロフェナク群(全用量)で有意な改善が認められた(P≦0.039)。有害事象の全発生率はプラセボ+ジクロフェナク群(34.9%)と比較してtanezumab+ジクロフェナク群(45.2〜49.7%)で増加し、重篤な有害事象の発生率は両群で同様であった(5.3〜7.6%)。
ジクロフェナクとtanezumabの併用により、変形性関節症患者の疼痛、機能及び全般評価が有意に改善した。新たな安全性シグナルは認められなかったが、有害事象の発生率が増加したことから、併用療法は適切ではないと考えられる。
コメント
変形性関節症(OA)に対する治療は主にNSAIDによってなされてきたが、その有効性は十分ではなく、新たな治療法が望まれている。本研究は痛みのメディエーターであるサイトカインのNGFに対するモノクローナル抗体をNSAIDのジクロフェナクに追加して痛みの減少の有無を検討した。その結果、4週毎に抗NGF抗体(tanezumab)を投与することによって、疼痛の軽減が観察され、使用に期待された。しかしながら、プラセボと比較し有害事象が増加し、特に関節痛、浮腫、骨壊死がみられたことより、有用性に疑問が生じた。今後の大規模調査が望まれる。
監訳・コメント:大阪大学大学院 工学研究科 吉崎 和幸先生
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