身体活動と炎症性腸疾患発症のリスク:Nurses’ Health Studyコホートにおける前向き研究
Physical activity and risk of inflammatory bowel disease: prospective study from the Nurses’ Health Study cohorts
Khalili H, Ananthakrishnan AN, Konijeti GG, Liao X, Higuchi LM, Fuchs CS, Spiegelman D, Richter JM, Korzenik JR, Chan AT.
Division of Gastroenterology, Massachusetts General Hospital and Harvard Medical School, Boston MA 02114, USA.
BMJ. 2013 Nov 14;347:f6633. doi: 10.1136/bmj.f6633.
身体活動と潰瘍性大腸炎およびクローン病発症のリスクとの関連を米国の看護師のコホートであるNurses’ Health StudyまたはNurses’ Health Study IIの登録女性194,711人について2〜4年ごとに身体活動と他の危険因子に関するデータを調査した。
Nurses’ Health Studyは1984年より、またNurses’ Health Study IIは1989年より2010年までのデータである。追跡調査期間の3,421,972人においてクローン病は284例、潰瘍性大腸炎は363例あった。クローン病発症のリスクは身体活動と逆相関関係を示した(P for trend=0.02)。潰瘍性大腸炎発症のリスクと身体活動とは関連がなかった(P for trend=0.46)。
年齢、喫煙、BMI、およびコホートの変数は、身体活動と潰瘍性大腸炎やクローン病発症リスクとの関連に有意な影響を及ぼさなかった(P for interaction>0.35)。
コメント
身体活動は自己免疫反応を抑えるという実験データがあることから、米国人女性を対象とした2つの大規模な前向きコホートを用いて、身体活動とクローン病と潰瘍性大腸炎の発症のリスクとの関係を検討した論文である。クローン病と逆相関関係を示し、潰瘍性大腸炎発症とは関連がなかった。両疾患は腸の炎症性疾患、免疫疾患と考えられているが、身体活動との関連については異なった結果であった。両疾患の病気のメカニズムや遺伝要因が異なっていることを示唆するものであった。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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