中年女性コホートにおけるレプチン値のX線学的変形性膝関節症との関連
Association of leptin levels with radiographic knee osteoarthritis among a cohort of midlife women.
Karvonen-Gutierrez CA, Harlow SD, Mancuso P, Jacobson J, Mendes de Leon CF, Nan B.
School of Public Health, University of Michigan, Ann Arbor, MI 48109, USA. ckarvone@umich.edu
Arthritis Care Res (Hoboken). 2013 Jun;65(6):936-44. doi: 10.1002/acr.21922.
中年女性が対象のコホート研究であるMichigan Study of Women’s Health Across the Nation(Michigan SWAN)の参加者における、X線学的変形性膝関節症の有病率および新規発生率と血清レプチン値との関連を10年間にわたり調査した。
ベースライン時(研究開始時)と2年目、4年目、11年目の追跡来院時に両膝X線検査を行い、変形性膝関節症(Kellgren/Lawrenceスコア≧2)の有無を確認した。レプチンは、ベースライン時、1年目、3〜7年目の追跡来院時に得た血清を用い酵素免疫測定法で測定した。
ベースライン時(平均年齢46歳)の変形性膝関節症の有病率は18%であった。2年目および4年目の追跡来院時点での変形性膝関節症の発生率は、それぞれ18%と14%であった。血清レプチン値の5 ng/mL上昇が、変形性膝関節症の有病率のオッズの38%上昇(オッズ比[OR]1.38、95%信頼区間[CI]1.26〜1.52)と、新規発生率のオッズの31%上昇(OR 1.31、95%CI 1.21〜1.41)と関連していた。すべての参加者で血清レプチン値は、平均して毎年0.38 ng/mLずつ上昇していた(P=0.0004)が、10年間の追跡調査期間中に変形性膝関節症を新規発症した女性では、同期間に発症しなかった女性と比べて血清レプチン値が一貫して高かった。
この結果から、変形性膝関節症における肥満の代謝的役割が示された。血清レプチン値の管理が変形性膝関節症の発症または進行を食い止めるのに役立つ可能性がある。
コメント
変形性関節症(OA)の良い進行予測マーカーを見出すことが困難であったが、この度、血中レプチンがその予測マーカーになることを示唆することができた。レプチンは脂肪組織から分泌される内分泌因子であるが、肥満とOAとが関連性があること、関節液で大量にみられること、さらに軟骨細胞が骨細胞、滑膜細胞に見出されることから、レプチンとOAとに関連性があることを疫学的に示唆した。OAの発症予防にレプチンと体重の上昇を抑制することが推奨される。
監訳・コメント:大阪大学大学院 工学研究科 吉崎 和幸先生
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