セメント固定および非セメント固定の人工股関節全置換術の再置換率の検討:北欧4ヵ国の登録データベースに基づく研究
Failure rate of cemented and uncemented total hip replacements: register study of combined Nordic database of four nations
Mäkelä KT, Matilainen M, Pulkkinen P, Fenstad AM, Havelin L, Engesaeter L, Furnes O, Pedersen AB, Overgaard S, Kärrholm J, Malchau H, Garellick G, Ranstam J, Eskelinen A.
Department of Orthopaedics and Traumatology, Turku University Hospital, Rauhankatu 24 D 32, Turku, FI-20100, Finland.
BMJ. 2014 Jan 13;348:f7592. doi: 10.1136/bmj.f7592.
55歳以上のセメント固定、非セメント固定、ハイブリッド固定、および逆ハイブリッド固定の人工股関節全置換術を受けた者の再置換率について、北欧4ヵ国の1995~2011年の関節形成術の登録データベース(Nordic Arthroplasty Register Association)の347,899例を用いて検討したものである。
再置換となった時点をエンドポイントとして、年齢、性別、および診断名で補正をして、55歳~64歳、65歳~74歳、および75歳以上の年齢群別に人工関節の維持期間(Cox重回帰分析)、維持確率(Kaplan-Meier法)を評価した。
非セメント固定の人工股関節の全置換術を受ける者の比率は近年増加してきている。65歳~74歳および75歳以上の者では、非セメント固定、ハイブリッド固定および逆ハイブリッド固定の者と比較すると、セメント固定の者の10年後の関節維持割合が高かった。55歳~64歳の患者においては、セメント固定と非セメント固定の者の維持割合には差が認められなかった。しかし、最初の6ヵ月間は、全ての年齢群でセメント固定の者の再置換率は他の固定法の者と比較して低かった。
コメント
北欧の国では関節症の患者が多いが、各国の人口規模が小さいために臨床研究が難しく、2007年から共同でデータベースをつくり研究体制を整えている。本研究からは、近年非セメント固定の置換術が増加しているが、65歳以上の患者において、セメント固定の置換術の方が再置換となる者の割合が低く利点があるという結果であった。しかし、本研究は4ヵ国の登録データーの共通基本情報だけを使った分析であり、その他の交絡因子を補正した分析を行い確認する必要がある。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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