Kir3.4変異は、Kir2.1への抑制作用によってAndersen-Tawil症候群を引き起こす
A Kir3.4 mutation causes Andersen-Tawil syndrome by an inhibitory effect on Kir2.1.
Kokunai Y, Nakata T, Furuta M, Sakata S, Kimura H, Aiba T, Yoshinaga M, Osaki Y, Nakamori M,
Itoh H, Sato T, Kubota T, Kadota K, Shindo K, Mochizuki H, Shimizu W, Horie M, Okamura Y,Ohno K, Takahashi MP.
Department of Neurology and Laboratory of Integrative Physiology, Osaka University Graduate School of Medicine, Suita
Neurology. 2014 Feb 26. [Epub ahead of print]
Andersen-Tawil症候群は周期性四肢麻痺、不整脈、異形症的特徴を3主徴とし、多くの場合、内向き整流性カリウムチャネルのKir2.1サブユニットをコードするKCNJ2遺伝子の変異が原因である。Andersen-Tawil症候群を示唆するが、KCNJ2遺伝子の変異がみられなかった発端者において、他の原因遺伝子を同定することを目的とした。
イオンチャネルをコードする遺伝子/関連する蛋白質に限定してexome capture resequencing解析を実施。アフリカツメガエル卵母細胞の異種発現系を用い、変異による機能的な影響を調べた。
G蛋白質活性型内向き整流性カリウムチャネル4(Kir3.4)をコードするKCNJ5遺伝子において変異を同定した。免疫ブロット法により、ヒトの心臓及び骨格筋においてKir3.4蛋白質が顕著に発現しており、Kir2.1及び変異型Kir3.4の共発現は、野生型Kir3.4存在下と比較して有意に内向き整流性電流を減弱させた。
KCNJ5がAndersen-Tawil症候群の第二の原因遺伝子であることを提言する。
コメント
Andersen-Tawil症候群のように遺伝形式は判明していても浸透率が低く、しかも臨床症状の表現型に多様性を示す症候群の確定診断は、既知の遺伝子検索が陰性の場合は、困難なことが多い。本論文は、イオンチャネルをコードする遺伝子/関連する蛋白質に限定してexome capture resequencing解析を用い、本症候群を惹起する新たな遺伝子変異(KCNJ5)とそのコードする蛋白(Kir3.4)を発見した。さらに、その変異が既知の蛋白(Kir2.1)を抑制することによる病態への関与も解明したことは、多様性を示す遺伝性疾患の診断と病態解析において模範となる研究と考えられ紹介した。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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