パーキンソン病患者の脳から採取したレビー小体抽出物は、マウスおよびサルにおいてα-シヌクレインの病理学的変化および神経変性を惹起する
Lewy Body Extracts from Parkinson Disease Brains Triggerα-Synuclein Pathology and Neurodegeneration in Mice and Monkeys
Recasens A1, Dehay B, Bové J, Carballo-Carbajal I, Dovero S, Pérez-Villalba A, Fernagut PO, Blesa J, Parent A, Perier C, Fariñas I, Obeso JA, Bezard E, Vila M. 1Neurodegenerative Diseases Research Group, Vall d'Hebron Research Institute-Center for Networked Biomedical Research on Neurodegenerative Diseases, Barcelona, Spain.
Ann Neurol. 2014 Mar;75(3):351-62. Epub 2014 Feb 18.
レビー小体(lewy body:LB)の主要な蛋白質成分であるα-シヌクレイン(α-シ)が、パーキンソン病(PD)における病態形成過程の惹起および拡大に関与する可能性があることを、多くのエビデンスが示唆している。PDに関連する病的なα-シにも当てはまるのか、また、よりヒトに近い種でも認められるのか、死後のPD患者の脳から病的なα-シを含む黒質LBの多い画分を精製し、続いて野生型マウスおよびマカクザルの黒質または線条体に接種し、検討した。
マウスおよびサルの両方において、PD患者から採取したLB抽出物の黒質または線条体への接種は、線条体ドパミン神経終末から始まる、黒質線条体における進行性の神経変性をもたらした。外因性のヒトα-シは速やかにホストのニューロン内部に取り込まれ、内因性α-シの病理学的変化を惹起した。LBに誘発された病原性効果を得るには、LB抽出物内に存在するヒトα-シおよびホストにおけるα-シの発現の両方が必要であった。
コメント
今回の論文で、PD患者から採取したLBに含まれるα-シヌクレインは病原性を有し、異なる脳領域における細胞内およびシナプス前への病的なα-シヌクレインの蓄積、および黒質線条体におけるドパミン神経の軸索から始まる緩徐進行性の神経変性などが指摘された。パーキンソン病のプリオン仮説を支持する報告であり、より疾患修飾治療法開発に繋がる重要な論文と考えられ紹介した。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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