2型糖尿病と、脳萎縮および認知機能障害との関連
Association of type 2 diabetes with brain atrophy and cognitive impairment
Roberts RO1, Knopman DS, Przybelski SA, Mielke MM, Kantarci K, Preboske GM, Senjem ML, Pankratz VS, Geda YE, Boeve BF, Ivnik RJ, Rocca WA, Petersen RC, Jack CR Jr. 1From the Division of Epidemiology, Department of Health Sciences Research (R.O.R, M.M.M, Y.E.G., W.A.R., R.C.P.), Division of Biomedical Statistics and Informatics, Department of Health Sciences Research (S.A.P., V.S.P.), and Departments of Neurology (R.O.R., D.S.K., B.F.B., W.A.R., R.C.P.), Radiology (K.K., G.M.P., M.L.S., C.R.J.), and Psychiatry & Psychology (R.J.I.), Mayo Clinic, Rochester, MN; and Departments of Psychiatry & Psychology (Y.E.G.) and Neurology (Y.E.G.), Mayo Clinic, Scottsdale, AZ.
Neurology. 2014 Apr 1;82(13):1132-41.
集団ベースの認知症を有さないコホート(n=1,437、年齢中央値80歳)において、糖尿病および高血圧に関して、画像バイオマーカーおよび認知機能との関連を検討した
中年期の糖尿病は、皮質下梗塞(オッズ比:1.85、95%CI:1.09~3.15、P=0.02)、海馬体積(hippocampal volume:HV)の減少(-4%[-7~-1.0]、P=0.01)、全脳体積(whole brain volume:WBV)の減少(-2.9%[-4.1~-1.6])、および軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)罹患(オッズ比:2.08、P=0.01)に関連した。
糖尿病とMCIのあいだの関連は、梗塞および白質高信号域(white matter hyperintensity:WMH)の体積による補正後も維持され、脳体積の減少を通して晩年の認知機能に影響すると考えられる。
中年期の高血圧は梗塞およびWMHの体積に関連し、虚血性の病理を通して実行機能に影響すると考えられる。
糖尿病および高血圧の晩年の発症による影響はほとんどみられなかった。
コメント
平均寿命の延長をもたらしたものの一つに生活環境、中でも食文化の改善があるであろう。しかし、文化とはいわゆる心地よさを味わえる半面、外から見ると異様な面もあり、体にとっては悪の食習慣もある。本論文は、中年期の糖尿病や高血圧などのいわゆる生活習慣病が、老年期に脳萎縮に基づく認知機能障害をもたらすとの、警告的報告と言える。中年期の肥満が老年期の肥満に比べ認知症と関係があるとの報告もある。これらは、経過時間の長さがポイントの一つのようで、今後さらなる検討が必要であるが、生活習慣病は予防も可能であり、認知症を伴うことなく寿命延長生活を送る上で重要な指摘と思い取り上げた。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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