パーキンソン病におけるドパミン調節異常症候群:治療および長期的な転帰に対する臨床的ならびに神経心理学的な特性の解明
Dopamine dysregulation syndrome in Parkinson's disease: from clinical and neuropsychological characterisation to management and long-term outcome
Cilia R1, Siri C, Canesi M, Zecchinelli AL, De Gaspari D, Natuzzi F, Tesei S, Meucci N, Mariani CB, Sacilotto G, Zini M, Ruffmann C, Pezzoli G. 1Parkinson Institute, Istituti Clinici di Perfezionamento, Milan, Italy.
J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2014 Mar; 85(3):311-8.
パーキンソン病(PD)の治療薬として用いられているドパミン作動薬により強迫的行動パターンを示す「ドパミン調節異常症候群(DDS)」が問題となっていることから、DDSの危険因子、認知の特性、および長期的転帰に関する要因を症例対照研究で検討した。
DDSの基準を満たす6年間(2005〜2011年)継続的にPD外来受診していた患者を評価した。DDS患者と、マッチさせたPD70例および運動症状の変動および運動機能異常があった1,281例と比較した。
対照例と比較してDDS患者の中で35例にはうつ病歴、PD家族歴および薬物乱用、「オン」「オフ」反応間の大きな運動症状を認めた。DDS患者は発症時により若年傾向にあった。
DDS患者は3.2±2.1年の経過観察期間で40%が寛解していた。DDS患者の転帰は介護者による適切な管理がなされているかどうかと有意な関連が認められた。持続的寛解はクロザピン投与および十二指腸レボドパ注入ならびに視床下核脳深部刺激法(STN-DBS)により多くの症例で認められた。
コメント
パーキンソン患者の治療にあたって薬剤性の幻覚や妄想などのドパミン調節異常症候群の発症に注意が必要である。必要な患者として、うつ病歴、PD家族歴および薬物乱用、「オン」「オフ」反応間の大きな運動症状がある者と報告している。その症候群の寛解には、十二指腸レボドパ注入、一貫性は劣るが視床下核脳深部刺激法が有効であるとのことである。転帰には患者の側に適切な介護者がいて症状や服薬を管理することが影響するとのことである。現実には、よき介護者がいる患者は多くないことが課題であると思われる。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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