パーキンソン病患者に対する作業療法の有効性に関する検討:無作為化対照試験
Efficacy of occupational therapy for patients with Parkinson's disease: a randomised controlled trial
Sturkenboom IH1, Graff MJ, Hendriks JC, Veenhuizen Y, Munneke M, Bloem BR, der Sanden MW; OTiP study group.
1Department of Rehabilitation, Radboud University Medical Center, Nijmegen, Netherlands.
Lancet Neurol. 2014 Jun;13(6):557-66.
パーキンソン病患者の治療に作業療法が有効なのかどうかのエビデンスは明らかにされていない。本研究は、パーキンソン病患者の日常活動能力の改善に作業療法が有効かどうかについて検証するため、専門医療スタッフがいるオランダの9地域のネットワーク(ParkinsonNet)に属する10病院の患者を対象として行ったものである。
2011年4月14日から2012年11月2日までの間で、191例の患者を無作為に、治療群(n=124)または対照群(n=67)に割り付け、3ヵ月および6ヵ月の時点で評価した。治療群の患者には、国の治療ガイドラインに従った10週間の在宅での作業療法を行い、対照群の患者には作業療法を行わず通常の介護を行った。
主要評価項目は日常活動においてカナダ作業遂行測定(COPMと略す:スコア1~10)で評価した。治療群124例の患者のうち117例(94%)および対照群67例のうち63例(94%)は、関与する介護者を有していた。登録時のCOPM値は、治療群4.3(IQR 3.5~5.0)、対照群4.4(3.8~5.0)であった。3ヵ月の時点で、平均スコアは治療群5.8(5.0~6.4)、対照群4.6(4.6~6.6)であった。3ヵ月の時点、群間のスコア調整平均差は治療群の値が上昇し、対照群との間に有意な差がみられた(1.2;95%CI 0.8~1.6;P<0.0001)。
研究による患者への有害事象は認められなかった。パーキンソン病患者に対して、在宅で個別化された作業療法を行うことが日常活動能力の改善につながることが示された。
コメント
パーキンソン病患者に対して在宅で作業療法を行うことが日常生活動作能力の改善につながると示した研究結果が出されていなかったが、本研究により在宅で個別化された作業療法は日常活動能力の自己評価スケールの改善に有効であることが示された。ただし、作業療法がすべてのパーキンソン病患者に有効であるかどうかは示されていない。有効であった患者はどのような者なのか、また患者の環境状況との関係、またどのような作業療法士が適切なのかなど、今後検討すべき課題が残されている。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
PudMed: