ループスプローンSle1.Yaaマウスでは、インターロイキン6の欠損によって腎炎、リンパ球の異常、および続発性シェーグレン症候群の特徴が修正された
Interleukin-6 Deficiency Corrects Nephritis, Lymphocyte Abnormalities, and Secondary Sjögren's Syndrome Features in Lupus-Prone Sle1.Yaa Mice
Maier-Moore JS1, Horton CG, Mathews SA, Confer AW, Lawrence C, Pan Z, Coggeshall KM, Farris AD. 1University of Oklahoma Health Sciences Center and Oklahoma Medical Research Foundation, Oklahoma City.
Arthritis Rheum. 2014 Sep;66(9):2521-31. doi: 10.1002/art.38716.
インターロイキン6(IL-6)を全身性エリテマトーデスおよびシェーグレン症候群の治療の標的とし、IL-6欠損Sle1.Yaaマウスにおける疾患の特性を評価することとした。
C57BL/6(B6)マウス、Sle1.Yaaマウス、およびIL-6欠損Sle1.Yaaマウスの血清を採取し、自己抗体特異性、サイトカインの産生、血中尿素窒素値を比較した。さらに腎臓、肺、唾液腺の組織を採取し、病理学的変化を観察した。リンパ球の表現型も評価した。
IL-6欠損Sle1.Yaaマウスでは、自己抗体の産生が抑制されて腎臓病が改善し、肺や唾液腺の炎症も緩和された。さらにIL-6欠損によって脾臓のTh1細胞および濾胞外のヘルパーT細胞の分化が阻害され、胚中心のB細胞と形質細胞が減少した。IL-17、インターフェロンγ、およびIL-21の産生能のある腎臓のT細胞も除去された。
Yaa遺伝子によって自己免疫が促進されている状況下では、IL-6がT細胞の異常を仲介することが明らかとなった。この研究により、自己抗体の産生ならびに腎臓、肺、唾液腺のリンパ球浸潤を抑制するIL-6遮断治療が、全身性エリテマトーデスおよびシェーグレン症候群の治療に有効である可能性が示された。
コメント
関節リウマチ(RA)におけるIL-6は病態の中心にあるため、IL-6阻害治療がきわめて有効である。 SLEはいまだ分子原的治療法は確立されていない。本論文はSLEにおいてもIL-6が病態に深く関与することを示唆し、IL-6阻害療法の可能性を示唆している。しかし、SLEモデルマウスが、ヒトSLEとは必ずしも病態が一致しているとは限らず、ヒトSLEはCRPの発現が乏しいことからIL-6の関与は否定的である。興味ある報告であるが、更なる研究を要す。
監訳・コメント:大阪大学大学院 工学研究科 吉崎 和幸先生
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