小児での結核菌感染に対するBCGワクチンの効果:システマティックレビューおよびメタアナリシスによる再評価
Effect of BCG vaccination against Mycobacterium tuberculosis infection in children: systematic review and meta-analysis
Roy A1, Eisenhut M, Harris RJ, Rodrigues LC, Sridhar S, Habermann S, Snell L, Mangtani P, Adetifa I, Lalvani A, Abubakar I
1Centre for Infectious Disease Surveillance and Control, Public Health England, London NW9 5EQ, UK.
BMJ. 2014 Aug 5;349:g4643. doi: 10.1136/bmj.g4643.
1950年~2013年11月までの電子データベース検索、文献リストの調査、手作業による学術誌の検索、および専門家との連絡に基づく研究論文のシステマティックレビューおよびメタアナリシスにより、小児に対するBCGワクチン接種の結核の感染および発病の予防効果をみた。対象者は肺結核患者に暴露した16歳未満のワクチンの接種児と未接種児とした。
一次解析は、14の研究論文の3,855例を対象とした。推定リスク比は0.81(95%CI 0.71~0.92)であった。ワクチンの未接種児は接種児と比べて暴露後19%の感染予防効果を認めた。感染予防効果は2種類のIGRA(ELISpot、またはQuantiFERON)検査で測定した。活動性結核の発病は6つの研究論文(n=1,745)のデータを解析し、発病予防効果は71%(リスク比0.29、95%CI 0.15~0.58)であった。感染に対しては27%(リスク比0.73、95%CI 0.61~0.87)、感染児の活動性結核の発病予防効果は58%(リスク比0.42、95%CI 0.23~0.77)であった。BCGは、結核感染および感染者の活動性結核への進行予防の両者に、効果が確認された。
コメント
BCGの予防効果は、イギリスの研究により示され、わが国はそれを根拠に導入している。本当に効果があるのかがずっと議論されている。わが国では小児の結核発病予防効果、結核性髄膜炎の予防効果があるとしているが、本研究は、過去の研究データを再解析してそれを確認したものである。近年、難病患者に生物製剤などの免疫抑制剤が投与され、結核を発症することが警戒されている。現在、感染者に対してはINHを投与して発病予防しているが、BCGの効果があるのかは明らかではない。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
PudMed: