代用エンドポイントバイオマーカーにより再発寛解型と二次進行型の多発性硬化症を区別することができる
A type 2 biomarker separates relapsing-remitting from secondary progressive multiple sclerosis
Dickens AM1, Larkin JR1, Griffin JL1, Cavey A1, Matthews L1, Turner MR1, Wilcock GK1, Davis BG1, Claridge TD1, Palace J1, Anthony DC2, Sibson NR1. 1From the CR-UK/MRC Gray Institute for Radiation Oncology and Biology (A.M.D., J.R.L., N.R.S.), Department of Pharmacology (A.M.D., D.C.A.), Department of Chemistry (A.M.D., B.G.D., T.D.W.C.), Nuffield Department of Clinical Neurosciences (A.C., L.M., M.R.T.), and Nuffield Department of Medicine (G.K.W.), University of Oxford; and the Department of Biochemistry (J.L.G., J.P.), University of Cambridge, UK.
Neurology. 2014 Sep 24. pii: 10.1212/WNL.0000000000000905. [Epub ahead of print]
核磁気共鳴装置(nuclear magnetic resonance:NMR)によるメタボロミクスおよび部分最小二乗法判別分析(partial least squares discriminant analysis:PLS-DA)を組み合わせた体液の解析(疾患の機序に関する推測は行わない)を用い、多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)患者において、再発寛解型(relapsing-remitting:RR)と二次進行型(secondary progressive:SP)の病期を区別することが可能かどうかを検討した。
MS患者から取得した血清検体のPLS-DAモデルにより、RRMSとSPMSの信頼性の高い区別が可能であった。さらに、各MS群(primary progressive(一次進行型)、SP、およびRR)と健康な対照者の代謝物プロファイル間の有意差を同定することもでき、病因に関する予備知識が不要な診断マーカーである。この研究でMS患者におけるRRからSPへの移行の代用エンドポイントバイオマーカーを同定し妥当性を確認したが、今後の臨床試験の評価項目として非常に有益であるかもしれない。
コメント
NMRによるメタボロミクス解析とPLS-DAの組み合わせによる血清の解析で、MSのRRSMとSPMSを区別可能なSurrogate markerを初めて指摘した論文である。ある時期から寛解することがなくなり、一方通行的に進行するSPMSは、脳萎縮や認知機能障害も加わり、予後が良くないと言われている。再発予防や、さらには疾患修飾的な生物学的治療法が開発されつつある今日、両群を早期に区別できることは、治療法選択上きわめて有意義である。さらに、病因に関係する代謝産物の発見にも繋がる可能性もある報告と思い取り上げた。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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