ベンゾジアゼピン使用とアルツハイマー病リスク:ケースコントロール研究
Benzodiazepine use and risk of Alzheimer’s disease: case-control study
Billioti de Gage S1, Moride Y, Ducruet T, Kurth T, Verdoux H, Tournier M, Pariente A, Bégaud B. 1INSERM, U657-Pharmacoepidemiology, Université de Bordeaux, F-33000 Bordeaux, France. sophie.billioti-de-gage@u-bordeaux.fr.
BMJ. 2014 Sep 9;349:g5205. doi: 10.1136/bmj.g5205.
カナダのケベック州健康保険プログラムデータベース(RAMQ)を使い、ケースコントロール研究の手法でベンゾジアゼピンの使用とアルツハイマー病の発症リスクとの関係について検討した。
ケース(患者)群は、アルツハイマー病と初回診断され6年間以上追跡された1,796例で、コントロール(対照)群はケースと、性別、年齢群、および追跡期間をマッチさせた7,184例であった。対象は2000~2009年の間にケベック州在住者から無作為に抽出された高齢者(66歳超)である。分析評価は多変量条件付きロジスティック回帰を用いた。
過去のベンゾジアゼピンの1日処方用量(PDDs)別に、1~90、91~180、180以上に分類した。過去のベンゾジアゼピンの使用とアルツハイマー病のリスクについては補正オッズ比1.51(95%CI 1.36~1.69)であった。不安症、うつ病および不眠症を補正しても1.43(1.28~1.60)であった。しかし累積用量が91未満の者では関連は認められなかった。補正オッズ比は、PDDs91~180では1.32(1.01~1.74)、180以上では1.84(1.62~2.08)と関連の強さは暴露濃度に関係して増加していた。補正オッズ比は短時間作動薬1.43(1.27~1.61)、長時間作動薬1.70(1.46~1.98)であり、関連の強さは薬剤半減期に関係して増加していた。ベンゾジアゼピン使用は認知症のリスク増加と直接的な関連がある可能性が強く示唆された。
コメント
超高齢社会に突入し、認知症の問題が深刻化してきている。一方わが国は自殺大国でありうつ病対策として精神科医専門医だけでなくプライマリケア医においても抗うつ剤が投与されることが少なくない。ベンゾジアゼピン系薬剤は選択されることが多い薬剤であるが、薬物依存症に陥るリスクが高いことが問題となっているが、本論文では、アルツハイマー病のリスクを高めていることが示された。ベンゾジアゼピン薬剤の不適切な長期使用は公衆衛生上の大きな問題であり、適正な使用について、周知する必要があると指摘している。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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