全身型若年性特発性関節炎に合併したマクロファージ活性化症候群の臨床所見、治療、転帰:患者362例を対象とした多国間多施設共同研究
Clinical features, treatment, and outcome of macrophage activation syndrome complicating systemic juvenile idiopathic arthritis: a multinational, multicenter study of 362 patients
Minoia F1, Davì S, Horne A, Demirkaya E, Bovis F, Li C, Lehmberg K, Weitzman S, Insalaco A, Wouters C, Shenoi S, Espada G, Ozen S, Anton J, Khubchandani R, Russo R, Pal P, Kasapcopur O, Miettunen P, Maritsi D, Merino R, Shakoory B, Alessio M, Chasnyk V, Sanner H, Gao YJ, Huasong Z, Kitoh T, Avcin T, Fischbach M, Frosch M, Grom A, Huber A, Jelusic M, Sawhney S, Uziel Y, Ruperto N, Martini A, Cron RQ, Ravelli A; Pediatric Rheumatology International Trials Organization; Childhood Arthritis and Rheumatology Research Alliance; Pediatric Rheumatology Collaborative Study Group; Histiocyte Society

1Istituto Giannina Gaslini, Genoa, Italy.
Arthritis Rheumatol. 2014 Nov;66(11):3160-9. doi: 10.1002/art.38802.
マクロファージ活性化症候群(MAS)は、重症化を示す全身型若年性特発性関節炎(JIA)の合併症である。MASを合併したJIA患者362例の臨床像、臨床検査所見、組織病理学的特徴、現在の治療、および転帰を後ろ向きに調査した。
これらの患者には、発熱(96%)、肝腫大(70%)、脾臓腫大(58%)の他、中枢神経系障害(35%)や出血(20%)が高頻度に認められた。MAS発症前の受診からMAS発症時までの血小板数、肝トランスアミナーゼ、フェリチン、乳酸脱水素酵素、トリグリセリドおよびDダイマーの変化率は、50%を超えていた。MASは、特に誘因もなしに、基礎疾患が活動期にある患者に発症することが多かった。骨髄穿刺を受けた患者の多く(60%)に、マクロファージ血球貪食の所見がみられた。副腎皮質ステロイドはほぼすべての患者に処方されており、シクロスポリンの使用率も高かった(61%)。生物学的製剤とエトポシドの使用率は、15%と12%であった。約3例に1例にはICUでの治療が必要であり、死亡率は8%であった。
MASは、ICUへの入室率および死亡率の高い重篤な合併症である。
コメント
全身型若年性突発性関節炎(sJIA)は、JIAの一型で他に多関節型と少関節型がある。sJIAは他の2型とは異なり自己炎症性疾患の可能性が指摘され、近年まで良い治療法がなく、後遺症として成長障害が生じる。発症の根本は不明であるが、IL-6阻害が著効を示すことがわかり、治療に光が認められた。ただ、サイトカインストームによると考えられているMASの合併は重症でその鑑別が望まれている。本研究により臨床像が示され、今後の治療に多大な参考を与えている。
監訳・コメント:大阪大学大学院 工学研究科 吉崎 和幸先生
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