関節リウマチ患者に対するアダリムマブまたはエタネルセプトの投与の活動性推移をみての減量・使用中止群と治療継続群との比較:非盲検無作為化対照非劣性研究
Disease activity guided dose reduction and withdrawal of adalimumab or etanercept compared with usual care in rheumatoid arthritis: open label, randomised controlled, non-inferiority trial
van Herwaarden N1, van der Maas A, Minten MJ, van den Hoogen FH, Kievit W, van Vollenhoven RF, Bijlsma JW, van den Bemt BJ, den Broeder AA.

1Department of Rheumatology, Sint Maartenskliniek, Nijmegen, PO Box 9011, 6500 GM, Netherlands n.vanherwaarden@maartenskliniek.nl.
BMJ. 2015 Apr 9;350:h1389. doi: 10.1136/bmj.h1389.
多くの関節リウマチ患者において腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬が使われるようになってきている。アダリムマブまたはエタネルセプトを減量することが疾患活動性にどう影響するのか、無作為化対照非盲検非劣性研究により評価した。対象は、2011年12月から2014年5月にオランダの2つのリウマチ診療機関の外来患者である。
アダリムマブまたはエタネルセプトを使用している低活動性の慢性関節リウマチ患者180例を、121例を減量群、59例を通常治療群に割り付けた。減量群に対しては、注射投与間隔を3カ月ごとに段階的に延長し活動性に悪化がみられる(再燃)まで減量し、使用中止にまでもっていった。通常治療群は、減量せずに投与を継続した。再燃は、DAS28-CRPが1.2以上に上昇した場合、またはベースラインスコアと比較して0.6以上の上昇がありスコアが3.2以上になった場合とした。主要評価項目は、18カ月の時点の再燃者の累積発生率とした。副次的評価項目は、試験終了時のTNF阻害薬使用、機能状態、QOL、X線画像、および有害事象とした。
減量群と通常治療群の18カ月の時点の累積再燃発生率は12%と10%であった(有意差なし)。減量群について、20%の患者では薬剤が中止でき(95%信頼区間13%-28%)、43%では注射投与間隔を延長できたが(34%-53%)、37%では減量できなかった(28%-46%)。両群間で、機能状態、QOL、臨床的意義を有するX線画像上での進行および有害事象についての有意差は認めなかった。短期間の再燃は73%と27%、X線画像上での最小限の進行は32%と15%であり、減量群の方が割合は高かったが、有意差は認めなかった。
コメント
腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬が慢性関節リウマチ患者に有効な薬剤であるとの研究報告が蓄積されている。しかし、この薬剤には副作用も少なくなく、コストも高い。また急に中止するとリバウンド現象があることも知られている。そのため投与される患者が増えてくるにつれ、その薬剤を減量することができるのか、減量するとどうなるのか、薬剤を中止することができるのかなどについてはまだ充分な知見が蓄積されていない。この論文では、関節リウマチ治療のための疾患活動性に基づいたアダリムマブまたはエタネルセプトは、患者の3分の2で良好に減量もしくは使用中止ができることが明らかになった。このような研究は重要であり、今後さらに進めて欲しい。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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