パーキンソン病におけるCSF中蛋白質と安静時の機能的結合性
CSF proteins and resting-state functional connectivity in Parkinson disease
Campbell MC11, Koller JM, Snyder AZ, Buddhala C, Kotzbauer PT, Perlmutter JS.

1From the Departments of Neurology (M.C.C., C.B., P.T.K., J.S.P.), Radiology (M.C.C., A.Z.S., J.S.P.), Psychiatry (J.M.K.), and Anatomy & Neurobiology (J.S.P.), and Programs in Occupational Therapy (J.S.P.) and Physical Therapy (J.S.P.), Washington University School of Medicine, St. Louis, MO. meghanc@npg.wustl.edu.
Neurology. 2015 May 15. pii: 10.1212/WNL.0000000000001681. [Epub ahead of print]
MRIで評価した安静時機能的結合性(rs-fcMRI)に見る脳ネットワークの乱れとパーキンソン病(PD)の脳病理を反映すると考えられる病原蛋白質のCSF中濃度との関連を検討した。認知症を伴わないPDを有する参加者(n=43)および年齢をマッチさせた対照(n=22)に対し腰椎穿刺を実施し、蛋白質CSF中濃度、PiB(Pittsburgh compound B)-PET画像、および休薬時のrs-fcMRIを評価した。画像解析では、線条体に加え、5つの主要な安静時ネットワークに注目した。
PD群では、感覚運動の機能的結合性が有意に低く、これはα−シヌクレインのCSF中濃度が低いことと相関した。また、PD群ではデフォルトモードネットワークの機能的結合性が有意に強く、これはCSF中のβアミロイド(Aβ)42およびPiBの取込みと相関を示さなかった。
これらの結果は、CSF中の蛋白質の測定値と安静時ネットワークの強度を関連付けることで、α−シヌクレインの代謝異常とPDにおける脳機能の乱れを直接的に結び付けることができる。
コメント
安静時にも脳活動は休止しているわけではなく、安静時の信号には自発的脳活動に由来する機能的結合の情報が含まれており、安静時のfMRIによる機能的結合の情報評価(rs-fcMRI)と言われている。本論文は、パーキンソン病においては髄液中のα−シヌクレインが低値であり、それは感覚運動の機能的結合性が有意に低いことと相関があることを指摘した報告である。さらに、一般的に認知症などでは低いと言われているデフォルトモードネットワークの機能的結合性が有意に強いことも指摘した。神経変性疾患ではより根本的治療である疾患修飾薬の開発が盛んに行われている。開発にとって最も重要なことは、いかに早期診断を可能にする手段があるか否かである。今回検討されたrs-fcMRIと髄液の結果を組み合わせることは、パーキンソン病により疾患特異的で早期診断を可能にする方法である可能性も示唆され、今後のさらなる検討が待たれる。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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