慢性閉塞性肺疾患での死亡率の予測に関する病期分類法GOLD2007とGOLD2011の比較:各患者データのプール解析
Mortality prediction in chronic obstructive pulmonary disease comparing the GOLD 2007 and 2011 staging systems: a pooled analysis of individual patient data
Soriano JB1, Lamprecht B, Ramírez AS, Martinez-Camblor P, Kaiser B, Alfageme I, Almagro P, Casanova C, Esteban C, Soler-Cataluña JJ, de-Torres JP, Miravitlles M, Celli BR, Marin JM, Puhan MA, Sobradillo P, Lange P, Sternberg AL, Garcia-Aymerich J, Turner AM, Han MK, Langhammer A, Leivseth L, Bakke P, Johannessen A, Roche N, Sin DD.

1Instituto de Investigación Hospital Universitario de la Princesa (IISP), Universidad Autónoma de Madrid, Cátedra UAM-Linde, Madrid, Spain. Electronic address: jbsoriano2@gmail.com
Lancet Respir Med. 2015 May 15. pii: S2213-2600(15)00157-5. doi:10.1016/S2213-2600(15)00157-5. [Epub ahead of print].
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する病期分類法として、GOLD2007とGOLD2011があるがどちらがよいか明らかでない。GOLD2007は1秒量(FEV1)を使用した分類で、GOLD2011は臨床項目を追加して作成した分類である。本研究では、GOLD2007とGOLD2011のCOPDの患者分類法についてどちらの病期分類が予後の推測に適当なのかについて検討した。
患者データは2008年1月1日から2014年12月31日に公表された研究報告から、GOLD2007およびGOLD2011によるコホートから得たものを用いた。これらの患者データのプール解析を行った。GOLD2007のIからIV段階とGOLD2011のAからD病期に患者を分類した。予後データをモデル化し、GOLD2007およびGOLD2011による死亡率を比較した。
7カ国の22 COPDコホートより15,632症例の個人データを収集し総計70,184人年であった。平均年齢63.9歳(SD 10.1)、男性69%であった。15,882症例をGOLD2007による病期分類で分けると、軽度(I)16%、中等度(II)46%、重度(III)28%、極めて重度(IV)11%であった。14,660症例をGOLD2011による病期分類で分けると、A病期38%、B病期19%、C病期13%、D病期31%であった。10年までの生存率予測力では両病期分類法に有意の差があったが(P<0.01)、曲線下面積は0.623(GOLD2007)および0.634(GOLD2011)で、両分類法に有意差が認められなかった。COPDの病期分類よりも予測FEV1の85%、55%、および35%の閾値が死亡率の予測に優れていた。
コメント
GOLD2007、GOLD2011のいずれのCOPDの病期分類法も、死亡率などの予後の予測や、臨床で利用できるリスク分類としての十分な判別能を有していないことが明らかとなった。COPDという疾患は世界的に増えている。そのためにCOPDの治療方法の開発や研究が急がれている。そのためにはまず治療効果を評価する有用な病期分類が必要である。現状ではまだ十分なものがなく、GOLD2011を超える分類方法を開発することが求められている。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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