カンナビノイドの医学的使用:システマティックレビューおよびメタ解析
Cannabinoids for Medical Use: A Systematic Review and Meta-analysis
Whiting PF1, Wolff RF, Deshpande S, Di Nisio M, Duffy S, Hernandez AV, Keurentjes JC, Lang S, Misso K, Ryder S, Schmidlkofer S, Westwood M, Kleijnen J.

1School of Social and Community Medicine, University of Bristol, Bristol, United Kingdom The National Institute for Health Research Collaboration for Leadership in Applied Health Research and Care West at University Hospitals, Bristol NHS Foundation Trust.
JAMA. 2015 Jun 23-30;313(24):2456-73. doi: 10.1001/jama.2015.6358.
カンナビスやカンナビノイドは、大麻に含まれる成分である。難病やがんなどの患者の症状の緩和に使われているが、その有効性のエビデンスは明確ではない。28データベースの2015年4月までの23,7754論文から無作為化臨床研究の79論文を選びシステマティックレビューにより検証した論文である。
化学療法による悪心および嘔吐、HIV/AIDSでの食欲刺激、慢性疼痛、多発性硬化症または対麻痺による痙縮、鬱病、不安障害、睡眠障害、精神病、緑内障、またはトゥレット症候群に対する効果があるのかについて評価した。79研究論文(被験者6,462例)からはカンナビノイドにより症状改善を示すものがほとんどであったが、統計学的には有意ではなかった。カンナビノイドを使用することにより悪心や嘔吐の症状が完全消失を示した者が多く、疼痛の軽減、疼痛評価の数値化スケールが大きく減少した者が多かった。またアッシュワース・痙縮スケールの値は減少していた。カンナビノイド使用に伴い短期的有害事象のリスクは増加していた。浮動性めまい、口渇、悪心、疲労、傾眠、多幸感、嘔吐、失見当識、嗜眠、錯乱、平衡感覚の喪失、および幻覚などが頻度の高い有害事象であった。
慢性疼痛および痙縮の治療に関してカンナビノイド使用を支持するエビデンスが認められたが、化学療法による悪心および嘔吐、HIV感染における体重増加、睡眠障害、およびトゥレット症候群などに対する有効であるとのエビデンスは十分でなかった。
コメント
カンナビノイドは大麻などに含まれているものである。欧米では慢性疼痛および痙縮の緩和に有効であるとして使われている。本当に症状の緩和に有効なのか文献レビューして評価したものである。慢性疼痛や痙縮にはある程度の有効性は示されていたが、化学療法による悪心および嘔吐、HIV感染における体重増加、睡眠障害、およびトゥレット症候群の改善に有効であるという点についてはまだエビデンスレベルが十分に示されていないとのことであった。わが国は医療用大麻の使用が少ないようである。疼痛や痙縮に悩んでいる患者も多いことから、その利用のあり方について研究を進めていく必要がある。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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