治療前血中サイトカイン/ケモカイン/可溶性レセプターを測定することにより、治療前における個々の関節リウマチ患者の抗サイトカイン療法の反応性を予測可能にし得る
Pretreatment prediction of individual rheumatoid arthritis patients' response to anti-cytokine therapy using serum cytokine/chemokine/soluble receptor biomarkers
Uno K1, Yoshizaki K, Iwahashi M, Yamana J, Yamana S, Tanigawa M, Yagi K

1Department of Organic Fine Chemicals, Division of Biological and Molecular Sciences, The Institute of Scientific and Industrial Research, Osaka University, Suita, Osaka, Japan
PLoS One: 2015 Jul 15;10(7):e0132055. doi: 10.1371/journal.pone.0132055. eCollection 2015
関節リウマチ(RA)患者にとって最も有効な抗サイトカイン薬を選択することは困難であり、このことが患者の速やかな回復や、臨床での抗サイトカイン薬の使用の妨げとなっている。最適な抗サイトカイン療法の選択に役立つ予測バイオマーカーの同定を試みた。
生物学的製剤の治療歴のあるRA患者と治療歴のないRA患者138例を試験に組み入れ、トシリズマブ又はエタネルセプトを16週間以上投与した。投与前、血清検体を採取してサイトカイン、ケモカイン、又は可溶性レセプター31種類を測定した。16週間後に疾患活動性を評価した。16週後の症状の程度と関連のあるバイオマーカーを同定するために多重線形回帰分析を、患者の最終的な転帰と関連のあるバイオマーカーを同定するために多重ロジスティック分析を用いた。
16週後のDAS28-CRPスコアが予測可能なバイオマーカーは、トシリズマブ投与患者のうち以前に生物学的製剤の投与歴のない患者では、sgp130、logIL-6、logIL-8、logEotaxin、logIP-10、logVEGF、logsTNFR-I及びlogsTNFR-II、投与歴のある患者ではsgp130、logGM-CSF及びlogIP-10であった。エタネルセプト療法についても、トシリズマブ療法ほどの信頼性はないものの複数のマーカーが同定された。
コメント
近年関節リウマチ治療で生物学的製剤が多数開発され、医師や患者は治療薬選択に困惑している。本研究は治療前にバイオマーカーを測定することによって、有効な治療薬を選択し得ることを示したはじめての研究である。
監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
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