関節リウマチのリスク遺伝子LBHは線維芽細胞様滑膜細胞の増殖を調節する
The rheumatoid arthritis risk gene LBH regulates growth in fibroblast-like synoviocytes
Ekwall AK1, Whitaker JW, Hammaker D, Bugbee WD, Wang W, Firestein GS.

1University of California at San Diego, La Jolla.
Arthritis Rheumatol. 2015 May;67(5):1193-202. doi: 10.1002/art.39060.
関節リウマチ(RA)に対する線維芽細胞様滑膜細胞(FLS)を標的とした治療の候補遺伝子としてLBHを同定し、その役割を調査することとした。関節置換術の際にRA患者および変形性関節症(OA)患者から滑膜組織を採取し、マイクロアレイを用いてLBH遺伝子発現プロファイルを明らかにした。機能アッセイにより、LBHの発現状況の変化の影響を調査した。
LBHはRA患者の滑膜表層で発現する。初代FLSでは、LBHの発現はトランスフォーミング増殖因子β1によって有意に増加し、血小板由来の成長因子BBによって低下した。増殖アッセイによると、LBHが欠損した状態ではFLSの増殖が促進され、逆にLBHが過剰発現した状態では細胞増殖が抑制された。細胞周期の解析によると、細胞周期に入る細胞はLBH欠損のFLSの方が対照より有意に多かった。LBHによるアポトーシスの変化は認められなかった。
LBHはRA患者の滑膜の病態と関与する候補遺伝子である。初代FLSでは、LBHは増殖因子によって調節され、細胞増殖に関与していた。我々のデータは、RAにおける滑膜内膜の過形成および関節の損傷の新たな機序を示唆するものである。
コメント
最近関節リウマチ(RA)の滑膜上皮細胞の一種の線維芽細胞様滑膜細胞(FLS)が炎症発現あるいは免疫発現の場としての役割を有すことで注目されている。このことからFLSの増殖機序の解明を要す。サイトカインによる機序も考えられるが、遺伝子の一つのLBH遺伝子の関与もあることが示唆された。
監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
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