米国におけるチクングニアウイルスによる関節炎:血清反応陰性関節リウマチの類似疾患
Chikungunya viral arthritis in the United States: a mimic of seronegative rheumatoid arthritis.
Miner JJ1, Aw Yeang HX, Fox JM, Taffner S, Malkova ON, Oh ST, Kim AH, Diamond MS, Lenschow DJ, Yokoyama WM.

1Washington University School of Medicine, St. Louis, Missouri.
Arthritis Rheumatol. 2015 May;67(5):1214-20. doi: 10.1002/art.39027.
チクングニアウイルス(CHIKV)は蚊によって媒介されるアルファウイルスであり、長期にわたる炎症性関節炎を引き起こす。CHIKV関連関節炎と関節リウマチ(RA)には数多くの共通の臨床的特徴がある。
2014年6月にハイチへ旅行中、ほぼ同時期にCHIKVに感染した米国人旅行者10例について、病歴を聴取し、身体診察および臨床検査を実施した。CHIKV関連関節炎の患者全員から抗CHIKV IgG抗体が検出された。CyTOF法により、CHIKV感染患者、健常な対照被験者、および未治療の活動性RA患者の末梢血単核細胞を比較した。
CHIKV感染患者10例中8例に、血清反応陰性RAの基準を満たす持続性の対称性多関節炎が認められた。RA患者およびCHIKV感染患者は健常な対照被験者に比べて、活性化CD4陽性T細胞およびCD8陽性T細胞、並びにエフェクターCD4陽性T細胞およびCD8陽性T細胞の割合が高かった。
RA患者とCHIKV感染患者は臨床的特徴が共通なだけでなく、末梢血T細胞の表現型がきわめてよく似ている。リウマチ専門医は、新規の対称性多関節炎の診断に際してはCHIKV感染症を念頭に置く必要がある。
コメント
ウイルス性感染症でも関節炎症状を呈する患者がしばしば見受けられる。この場合CRPの上昇は陰性の人もおられる。今回のチクングニアウイルス(CHIKV)による関節炎もCRPが陰性の場合もある。抗体の有無を検索するのが診断的に重要である。発生国への旅行には気を付けた方が良いでしょう。
監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
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