パーキンソン病における淡蒼球内節と視床下核に対する脳深部刺激の比較:3年間の追跡調査
GPi vs STN deep brain stimulation for Parkinson disease: Three-year follow-up
Odekerken VJ1, Boel JA, Schmand BA, de Haan RJ, Figee M, van den Munckhof P, Schuurman PR, de Bie RM; NSTAPS study group.

1 From the Department of Neurology (V.J.J.O., J.A.B., R.M.A.d.B.), Department of Medical Psychology (B.A.S.), Clinical Research Unit (R.J.d.H.), Department of Psychiatry (M.F.), and Department of Neurosurgery (P.v.d.M., P.R.S.), Academic Medical Center, Amsterdam; and Department of Psychology (J.A.B., B.A.S.), University of Amsterdam, the Netherlands. v.j.odekerken@amc.uva.nl.
Neurology. 2016 Jan 27. pii: 10.1212/WNL.0000000000002401. [Epub ahead of print]
進行したパーキンソン病(PD)において、淡蒼球内節(globus pallidus pars interna:GPi)および視床下核(subthalamic nucleus:STN)の脳深部刺激(deep brain stimulation:DBS)施行から3年後の運動症状、認知、気分、および行動を比較した。DBSに適格なPD患者を、両側GPi DBS群と両側STN DBS群(1:1)に無作為に割り付けた。主要評価項目は、(1)統一パーキンソン病評価尺度(Unified Parkinson Disease Rating Scale:UPDRS)により評価した休薬期の運動症状の改善、および(2)認知、気分、および行動への影響、ならびに手術後36カ月時点の追跡調査を完了できないことの複合スコアとした。
被験者128例のうち、90例が3年間の追跡調査を完了できた。休薬期の運動症状および機能は、STN DBS施行後に有意に改善した(3年時点の中央値[四分位範囲(interquartile range:IQR)]、GPi 33[23-41]、STN 28[20-36]、P=0.04)。認知、気分、および行動、ならびに追跡調査に参加できないことの複合スコアについては、群間差は認められなかった(GPi 83%、STN 86%)。薬剤の投与量は、STN DBS施行後により低下した。
コメント
淡蒼球破壊術などパーキンソン病の外科的治療法は1990年ごろから導入されてきたが、MBI(brain machine interface)の考え方の導入、および安全性などの点でDBSが主流になり、有効性もほぼ確立しつつある。しかし、散見される報告の大部分は症例報告であり、STN DBSとGPi DBSを比較した場合、運動症状の改善はほぼ同等度であるが、STN DBSの認知障害や気分障害などの易惹起性でGPi DBSを推奨する報告が多い。二重盲検などきちんとした臨床試験は、本報告グループがSTN DBS、GPi DBSを比較報告した例(2013年のLancet neurology)を含め数件のみである。今回同グループが検討年数を3年に伸ばし、また症例数を増加させることにより、STN DBSは、GPi DBSに比べ休薬期の運動症状をより改善するが、認知、気分、および行動における合併症のリスクは同様である、というクラスIIのエビデンスが得られた。STN DBSを推奨する高エビデンスの報告であり、臨床研究の継続性にも敬意を表し取り上げた。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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