関節リウマチではリウマトイド因子と手関節破壊の分布との間に関連が認められる
Rheumatoid factor is associated with the distribution of hand joint destruction in rheumatoid arthritis.
Terao C1, Yamakawa N, Yano K, Markusse IM, Ikari K, Yoshida S, Furu M, Hashimoto M, Ito H, Fujii T, Ohmura K, Murakami K, Takahashi M, Hamaguchi M, Tabara Y, Taniguchi A, Momohara S, Raychaudhuri S, Allaart CF, Yamanaka H, Mimori T, Matsuda F.

1Kyoto University Graduate School of Medicine, Kyoto, Japan.
Arthritis Rheumatol. 2015 Dec;67(12):3113-23. doi: 10.1002/art.39306.
関節リウマチ(RA)は関節破壊に至る慢性疾患である。本研究では、これまであまり評価されてこなかったRA患者における関節破壊の分布に焦点を当てた。患者の手骨の関節を、指関節と指以外の関節に分類し、指関節の破壊に関連する因子を同定することとした。
SHSスコアを用い、日本人RA患者1,215例のX線上の関節破壊の程度を評価した。解析では指関節のSHSスコアを従属変数、指以外の関節のSHSスコアを共変量とし、年齢、性別、罹病期間、喫煙、C反応性蛋白値、RAに対する治療、抗シトルリン化蛋白抗体およびリウマトイド因子(RF)の陽性およびその値を相関因子の候補として評価した。さらに日本人患者で観察された関連を、オランダ人RA患者157例を対象としたBeSt試験と比較した。
日本人RA患者において、罹病期間と指関節のSHSスコアとの間に関連が認められた(P≦0.00037)。共変量で補正した後、RF陽性およびRF値の両方に指関節のSHSスコアとの有意な関連が認められた(それぞれP=0.0022、P=8.1×10^-7)。RF陽性と指関節のSHSスコアとの関連は、BeSt試験のオランダ人RA患者でも観察された。
指以外の関節の破壊やその他の共変量とはかかわりなく、RF陽性とRF値は指関節の破壊と関連がある。
コメント
RA患者でRF陽性者の方が陰性者より関節破壊度が強いことが知られていたが、どの部位の関節がRF値と関連するかは知られていなかった。この度の観察統計解析により、手指関節がその他の手の関節より関連性が強いことが示された。このことから、手指関節とその他の関節とでは破壊要素が異なることが示唆された。特にRF値が高値の患者ほど手指関節破壊に注意を要することが臨床的に重要である。なお、足関節については別の因子が関与することが示唆され、手関節も含めて、関連因子の検索は今後の研究による。
監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
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