関節リウマチに対するメトトレキサート単独療法、メトトレキサートと既存薬療法または生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬との併用療法についてのシステマティックレビューによるメタ解析評価
Methotrexate monotherapy and methotrexate combination therapy with traditional and biologic disease modifying antirheumatic drugs for rheumatoid arthritis: abridged Cochrane systematic review and network meta-analysis
Hazlewood GS1, Barnabe C, Tomlinson G, Marshall D, Devoe D, Bombardier C.

1Department of Medicine, University of Calgary, Calgary, AB, Canada, T2N4Z6 McCaig Institute for Bone and Joint Health, University of Calgary, Calgary, AB, Canada, T2N4Z6 Institute of Health, Policy, Management and Evaluation, University of Toronto, Toronto, ON, Canada, M5T3M6 Department of Community Health Sciences, University of Calgary, Calgary, AB, Canada, T2N4Z6.
BMJ. 2016 Apr 21;353:i1777. doi: 10.1136/bmj.i1777.
メトトレキサートと他の疾患修飾性抗リウマチ薬との併用の治療効果を比較するために、主要な論文データベースに収載されている2016年1月19日までの研究論文及び2009から2015年の間の2つの主要リウマチ学会の研究報告の中から無作為化または準無作為化試験として行われた臨床研究論文についてシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。
治療効果は、米国リウマチ学会によるACR50、画像上での進行度、および有害事象発生による中止率などにより判定した。治療優越性を示す確率が97.5%を超える場合、統計学的有意とした。158の臨床研究論文を対象とし、10から53件の研究論文の転帰情報が利用可能であった。メトトレキサート未治療患者に対して行った治療に対して、既存薬の「3剤併用療法」(スルファサラジン+ヒドロキシクロロキン)、複数の生物製剤(アバタセプト、アダリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、リツキシマブ、トシリズマブ)を使った併用療法、およびトファシチニブなどの複数のメトトレキサートとの併用療法について、ACR50で評価した。
経口メトトレキサート単独療法よりもいずれの併用療法の方が統計学的に有意に優越していた。メトトレキサートと生物製剤の併用療法は画像上での進行阻害に統計学的に優越していたが、1年後ではその優越性は縮小していた。既存薬の3剤併用療法は、メトトレキサート+インフリキシマブよりも有害事象による中止率が統計学的に有意に低かった。3剤併用療法の効果は61%であり、他の治療法では効果にばらつきが大きかった(27から70%)。経口メトトレキサート単独療法と比べて画像上の進行阻害度には統計学的に優越性が認められなかった。メトトレキサート+アバタセプトの治療は、他の療法よりも有害事象による中止率が有意に低かった。3剤併用療法およびメトトレキサートと生物学的製剤との併用療法は疾患活動性の制御において効果的であった。
コメント
抗リウマチ薬の生物製剤は効力が強いが、コストが10倍以上高く、有害事象発生頻度が高い欠点がある。そのため生物製剤を使ったメトトレキサートとの併用療法が既存薬の併用療法とどの程度治療効果に違いがあるのかをメタ解析により検討した研究論文である。メトトレキサートを初めて使う患者も使用歴がある患者に対してもメトトレキサート単独療法で効果がない場合、メトトレキサートと既存薬による併用療法と生物製剤との併用療法の間に大きな治療成績の差がないことから、まずは既存薬を使った併用療法を推奨するというのが結論のようである。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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