関節リウマチ患者におけるメトトレキサートとの併用下での経口選択的JAK-3阻害剤VX-509(decernotinib)
VX-509 (Decernotinib), an Oral Selective JAK-3 Inhibitor, in Combination With Methotrexate in Patients With Rheumatoid Arthritis
Genovese MC1,van Vollenhoven RF, Pacheco-Tena C, Zhang Y, Kinnman N

1Stanford University, Palo Alto, California.
Arthritis Rheumatol. 2016 Jan;68(1):46-55. doi: 10.1002/art.39473.
メトトレキサート療法への反応が不十分な関節リウマチ(RA)患者を対象として、経口選択的JAK-3阻害剤decernotinib(VX-509)の有効性および安全性を評価することとした。
24週間の二重盲検無作為化第IIb相試験において、活動性RAの患者358例を、VX-509 100 mg/日、150 mg/日、200 mg/日、または1日2回100 mgの投与、あるいはプラセボ投与に無作為に割り付けた。主要評価項目は12週後のACR20反応率およびDAS28-CRPスコアとした。
12週後のACR20反応率は、VX-509 100 mg/日、150 mg/日、200 mg/日、1日2回100 mgの各群でそれぞれ46.5%、66.7%、56.9%、68.1%であったのに対し、プラセボ群では18.3%であった(すべてP<0.001)。VX-509の各群では、DAS28-CRPスコアのベースラインから12週後までの変化量がプラセボ群と比べて有意に大きかった。24週後の時点でも、ACR20、ACR50、ACR70の反応率、DAS28-CRPスコアでの改善が維持された。VX-509群で発現頻度が高かった有害事象は、頭痛および、アミノ基転移酵素、リポ蛋白、クレアチニンの値の上昇であった。
投与開始から12週後および24週後、VX-509はメトトレキサートとの併用下においてRAの徴候及び症状を有意に改善した。
コメント
バイオ製剤は有効性が高いが、高額であり注射を余儀なくされる。JAK阻害剤は経口製剤であるところが使用しやすい。JAK-1、2、3の阻害剤であるゼルヤンツも有効であることが示されている。JAK-3阻害剤であるVX-509は有効性が期待されるが、今回の有効性は従来のバイオ製剤やゼルヤンツをしのぐ効果が認められていない。また、肝機能障害、腎機能障害をきたす可能性が示唆され、さらに易感染、特に帯状ヘルペス感染を生じやすいという欠点が目に付く。細胞内での伝達因子阻害剤は、その有効性以上に不利益性に目を向けるべきと考えられる。
監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
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