ブラジルにおける先天性ジカウイルス症候群の検討:調査完了出生児1,501例の分析から
Congenital Zika virus syndrome in Brazil: a case series of the first 1501 livebirths with complete investigation
França GV1, Schuler-Faccini L, Oliveira WK, Henriques CM, Carmo EH, Pedi VD, Nunes ML, Castro MC, Serruya S, Silveira MF, Barros FC, Victora CG.

1Secretariat of Health Surveillance, Ministry of Health, Brasilia, Brazil.
Lancet. 2016 Jun 29. pii: S0140-6736(16)30902-3. doi: 10.1016/S0140-6736(16)30902-3. [Epub ahead of print]
ブラジルの小頭症流行とジカウイルス感染との間に関連があることが判明している。2016年6月4日の期間にブラジル保健省に7,830例(疑い例を含む)が報告されている。2015年11月19日から2016年2月27日の期間の疑い例1,501例の臨床所見、人体測定および生命予後の調査を行った。
対象者を5つの群に分類して比較分析を行った。「確定例」は、ジカウイルス感染のエビデンスが認められる児。「ほぼ確実例」は、他の先天性感染症検査結果は陰性だが特異的神経画像所見が認められる児。「中程度確実例」は特異的神経画像所見が認められるが他の感染が除外できない児。「ある程度確実例」は神経画像所見が認められるが医療チームによる情報が欠如している児。「その他の新生児」の899例は除外した。残りの602例(確定例76例、ほぼ確実例54例、中程度確実例181例、ある程度確実例291例)について比較分析を行った。在胎月齢での頭囲はInterGrowth標準で評価した。医療チームより最初の週の死亡率および発疹の既往のデータを得た。
分析の結果、4群の間の臨床所見、人体測定値および生存率に関する差は小さかった。妊娠第3期の母親の皮疹の有無は、正常サイズの頭部の児でも脳の異常と関連していた。確定または確実例の5例に1例は、頭囲が正常範囲内(InterGrowth標準で−2 SD以内)で、確定または確実例の三分の一は妊娠中に皮疹の既往が認められなかった。
コメント
小頭症は、運動発達遅滞や知能低下が随伴し、その原因は胎内ウイルス感染、染色体異常、先天性脳奇形などが考えられている。ブラジルの小頭症流行はジカウイルス感染との関連であることが明らかにされている。母親の皮疹、出生時頭囲値を中心とするスクリーニングではすべての先天性ジカウイルス症候群児を発見することができないことが明らかとされた。今後、スクリーニング検査の基準を修正する必要があることを示唆するものである。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
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