腫瘍壊死因子(TNF-α)阻害薬およびその他の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)を投与された患者における続発性感染症のリスク
Risk of subsequent infection among patients receiving tumor necrosis factor inhibitors and other disease-modifying antirheumatic drugs
Accortt NA1,Bonafede MM, Collier DH, Iles J, Curtis JR

1Amgen Inc., Thousand Oaks, California.
Arthritis Rheumatol. 2016 Jan;68(1):67-76. doi: 10.1002/art.39416.
本研究の目的は、最初の重篤な感染症の後にTNF-α阻害生物学的製剤を含む全身療法を受けたリウマチ性疾患患者および乾癬患者を対象に、再度重篤な続発性感染症の発生率を評価することであった。
2006年1月1日から2011年12月31日の間に重篤な感染症を発現した患者(関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎及び乾癬)を特定し、初発感染の60日後から最長で18ヵ月後までの治療期間における重篤な続発性感染症の発生率を算出した。
選択基準を満たした患者21,699例における重篤な続発性感染症の発生率は、初発感染症後に腫瘍壊死因子(TNF-α)阻害薬単剤療法を受けた患者(100患者年あたり18.1)またはTNF-α阻害薬と非生物学的DMARDsの併用療法を受けた患者(100患者年あたり17.3)の方が、非生物学的DMARDs単剤療法を受けた患者(100患者年あたり21.4)より低かった。薬剤レベルの解析によると、エタネルセプトの単剤療法、エタネルセプトと非生物学的DMARDsの併用療法、およびインフリキシマブと非生物学的DMARDsの併用療法を受けた患者は、非生物学的DMARDsの単剤療法を受けた患者に比べて重篤な続発性感染症のリスクが有意に低かった。
重篤な感染症の後にTNF-α阻害薬による治療を受けた患者に、続発性感染症のリスクの増加は認められなかった。非生物学的DMARDs単剤療法より、TNF-α阻害薬と非生物学的DMARDsの併用療法の方が、その後の重篤な感染症のリスクは低かった。
コメント
生物学的製剤により免疫能が低下し感染罹患が増加するのではないかと一般的に考えられていたが、今回の統計学的検討により、むしろTNF-α阻害剤をDMARDsと併用することの方が感染率が減少することが示された。この理由は不明であるが、TNF-α機能を抑制して、慢性炎症性疾患の炎症を低下させることによって生体が炎症状態から正常状態になり、むしろ免疫力が増加し防御しやすくなるのではないかと考えられる。
監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
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