ビスホスホネート製剤による治療を受けた関節リウマチ患者における非定型大腿骨骨折:コホート内症例対照研究
Atypical femoral fracture in rheumatoid arthritis patients treated with bisphosphonates: a nested case-control study
Koh JH1,Myong JP, Jung SM, Lee J, Kwok SK, Park SH, Ju JH

1Seoul St. Mary's Hospital and Catholic University of Korea, Seoul, Republic of Korea.
Arthritis Rheumatol. 2016 Jan;68(1):77-82. doi: 10.1002/art.39429.
一般的に健常者に比べて骨密度が低く骨粗鬆症のリスクが高い関節リウマチ(RA)患者に対しビスホスホネート製剤(BP)が広く使用されているが、BPの使用の増加に伴う非定型大腿骨骨折(AFF)が懸念されている。AFFの臨床的特性を調査し、BPの投与を受けているRA患者におけるAFFの危険因子と臨床アウトカムを明らかにするため、2008年1月−2014年12月にソウルのSt. Mary’s HospitalでBPの投与を受けたRA患者552例のデータを用い、コホート内症例対照研究を実施した。AFFを起こした10例の患者の各々を、AFFを起こしていない患者4例と年齢と性別でマッチングした。AFFを起こした患者はAFFを起こしていない患者に比べてBPの投与期間が長く、大腿脛骨角が175度未満の割合が高かった(いずれもP<0.001)。AFFを起こした患者と起こしていない患者の間に、過去6ヵ月間に使用した薬剤、大腿骨及び腰椎の骨密度の差は認められなかった。多変量ロジスティック解析により、BPの長期投与とAFFのリスク増加の関連が示された(オッズ比2.386[95%CI、1.066−5.343])。外反変形のある、あるいはBPの長期投与を受けているRA患者はAFFのリスクが高いため、股関節部の画像検査又は二重エネルギーX線吸収法による綿密な追跡が必要である。
コメント
骨粗鬆症に対するビスホスホネート(BP)投与により骨折出現が低下することがよく知られているが、今回のレポートは、BPの中でもアレンドロネートによる長期投与でAFFの頻度が上がるという警鐘的な内容である。しかし、症例数が少ないと共に目的変数が少ないため確実性が乏しい。ステロイド量によっても差が生じる可能性がある。またバイオ製剤の使用者数も少なくなく、BP剤ばかりとはいえない。更にアレンドロネート以外でP値が低くないため、大規模の確認調査を要す。
監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
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