関節拘縮症を伴う先天性ジカ症候群:後ろ向き症例集積研究
Congenital Zika syndrome with arthrogryposis: retrospective case series study
van der Linden V1, Filho EL, Lins OG, van der Linden A, Aragão Mde F, Brainer-Lima AM, Cruz DD, Rocha MA, Sobral da Silva PF, Carvalho MD, do Amaral FJ, Gomes JA, Ribeiro de Medeiros IC, Ventura CV, Ramos RC.

1Association for Assistance of Disabled Children, AACD, Recife, Brazil Barão de Lucena Hospital, HBL, Recife, Brazil vanessavdlinden@hotmail.com.
BMJ. 2016 Aug 9;354:i3899. doi: 10.1136/bmj.i3899.
ブラジルのペルナンブーコ州の障害児支援協会の協力を得て、ジカウイルスによる先天性感染症と診断された関節拘縮症患児7例について、主要な臨床所見、放射線所見、筋電図検査所見、および臨床異常と原発性神経異常との関連について検討を行った。脳画像において7例すべてに特徴的所見が認められた。脳脊髄液のジカウイルスIgMは2例で陽性であった。関節拘縮症を、腕と脚に6例(86%)、脚のみが1例(14%)に認めた。両側性脱臼は股関節X線像ですべてに認められた。外反膝関連膝関節亜脱臼は3例(43%)に認められ、2例(29%)は両側に認められた。高解像度超音波検査による関節異常所見はすべての症例に認められなかった。針筋電図検査(単極)では、中程度のリモデリングの徴候、およびリクルートメントパターンの減弱が認められた。脳CTと脳MRIは5例に、残り2例は脳CTのみ行われた。全例に、大脳皮質形成異常、皮質および皮質下白質を主とする石灰化(特に皮質と白質の接合部)、脳容積の減少、脳室拡大、脳幹と小脳の形成不全が認められた。4例の脊椎MRIで、脊髄の明らかな菲薄化と前根の減少が認められた。
コメント
ジカウイルス感染をした妊婦から出生した新生児に小頭症以外にも先天性内反足、先天性関節拘縮、視覚障害が知られてきている。そのため先天性ジカウイルス感染症で引き起こされる症候は「先天性ジカ症候群」と命名された。小頭症以外の所見についても調査する必要があり、先天性ジカ症候群の診断に必要な臨床、画像、筋電図所見の情報を得るために関節拘縮症を有する症例について行われたものである。今後は、先天性感染症による関節拘縮症の鑑別診断に、先天性ジカ症候群を加えるべきとしている。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
PudMed: