関節リウマチ患者の非罹患第一度近親者における喫煙および年齢と関節の炎症徴候との関連:関節リウマチの病因に関する研究の結果
Associations of smoking and age with inflammatory joint signs among unaffected first-degree relatives of rheumatoid arthritis patients: results from studies of the etiology of rheumatoid arthritis
Sparks JA1,Chang SC, Deane KD, Gan RW, Kristen Demoruelle M, Feser ML, Moss L, Buckner JH, Keating RM, Costenbader KH, Gregersen PK, Weisman MH, Mikuls TR, O'Dell JR, Michael Holers V, Norris JM, Karlson EW

1Brigham and Women's Hospital and Harvard Medical School, Boston, Massachusetts
Arthritis Rheumatol. 2016 Aug;68(8):1828-38. doi: 10.1002/art.39630.
関節リウマチ(RA)の非ヒスパニック系白人患者の非罹患第一度近親者(FDR)を対象に、RAの遺伝的、環境的、および血清学的危険因子と関節の炎症徴候との関連を調査した。ベースライン時、遺伝学的危険因子としてHLA-DRB1の共有エピトープアレル5個およびRAと関連のある一塩基多型(SNP)45個を、疫学的/環境的危険因子として喫煙、年齢、体格指数、教育、および経産歴を、更に血清学的危険因子としてRA関連の自己抗体を評価した。ベースラインおよび2年後の追跡調査時、被験者のRA好発部位の関節における炎症徴候を調査した。解析対象となったFDRは、ベースライン時は966例、2年後の追跡調査時は262例(ベースラインの調査で関節の炎症徴候が認められた被験者を除外)であった。患者の年齢(平均±SD)は47.2±15.5歳であり、性別は71%が女性、共有エピトーブ陽性の被験者は55%であった。喫煙および年齢と関節の炎症徴候の間に、有意な相関が認められた(P=0.02)。10 pack-yearを超える喫煙歴のある50歳未満のFDRは、関節の炎症徴候のリスクが最も高かった(50歳未満の非喫煙者と比較した場合のオッズ比は4.39[95%信頼区間2.22-8.66])。その他のRAの危険因子については、関連のエビデンスは見出されなかった。
コメント
喫煙によるRA発症のリスク増加がいわれている。特に発症時に喫煙影響が認められ、抗ECP抗体上昇にも関与するといわれている。本研究により、遺伝的要因に対する喫煙リスクを検討した結果、若年者で喫煙歴のあるものが関節炎症徴候を示すことが示唆された。HLA-DRレベルでは関連性のエビデンスは認められなかった。このことから、やはり喫煙は避けた方が良いことが示唆された。
監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
PudMed: