GBA関連パーキンソン病における生存および認知症:変異が大きく影響
Survival and dementia in GBA-associated Parkinson's disease: The mutation matters.
Cilia R1, Tunesi S, Marotta G, Cereda E, Siri C, Tesei S, Zecchinelli AL, Canesi M, Mariani CB, Meucci N, Sacilotto G, Zini M, Barichella M, Magnani C, Duga S, Asselta R, Soldà G, Seresini A, Seia M, Pezzoli G, Goldwurm S.

1 Parkinson Institute, ASST "Gaetano Pini-CTO", Milan, Italy.
Ann Neurol. 2016 Nov;80(5):662-673. doi: 10.1002/ana.24777. Epub 2016 Oct 3.
グルコセレブロシダーゼ遺伝子(GBA)上の変異を有するパーキンソン病(PD)患者と有さないPD患者において、生存、認知症、および遺伝子型-表現型の相関を検討した。
血縁関係がない連続したPD患者2,764例で、123例がGBA変異の保有者で(67例は軽度の変異p.N370S、56例は重度の変異で主にp.L444Pを保有)、2,641例は非保有者であった。対照群としてレビー小体型認知症(dementia with Lewy Bodies:DLB)患者を追加し、脳灌流およびドパミントランスポーターイメージングを解析した。性別、発症時の年齢、および罹病期間で補正した多変量解析において、GBA変異非保有者と比べた認知症(ハザード比[hazard ratio:HR]3.16、P<0.001)および死亡(HR 1.85、P=0.002)のリスク上昇は、GBA変異保有が原因と考えられた。重度変異の保有者では、軽度変異と比べ、認知症のリスクが高かったが(P<0.001)、死亡のリスクは同様であった。
臨床データと一致して、GBA変異保有者では、非保有者のPD患者と比べ、頭頂後部および後頭部の大脳皮質におけるシナプス活動、ならびに黒質線条体機能の低下がみられた。
コメント
以前当難病updateで、ゴーシェ病とパーキンソン病の関連で、GBA1変異の保有状態とシヌクレイノパチーリスクの増加との間の生化学的関係を明らかにした論文を紹介した。今回の論文はその延長線上にあるが、GBA変異保有者では、非保有者と比べ生存期間が短く、認知症のリスクは変異の種類によって大きく異なり、臨床的に連続するPDとDLBのあいだで、GBA変異を保有する患者は中間に集中し、重度変異の保有者は特発性PDよりもDLBに近いことを指摘したものである。変異と遺伝子型・表現型の相違、特に認知との関連で興味があり取り上げた。
監訳・コメント:大阪府立急性期・総合医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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