エボラ・ウイルス病予防でのrVSVベクターワクチンの有効性と効果:ギニアでのリングワクチン接種非盲検クラスター無作為化試験(Ebola Ça Suffit!)の最終結果
Efficacy and effectiveness of an rVSV-vectored vaccine in preventing Ebola virus disease: final results from the Guinea ring vaccination, open-label, cluster-randomised trial (Ebola Ça Suffit!)
Henao-Restrepo AM1, Camacho A, Longini IM, Watson CH, Edmunds WJ, Egger M, Carroll MW, Dean NE, Diatta I, Doumbia M, Draguez B, Duraffour S, Enwere G, Grais R, Gunther S, Gsell PS, Hossmann S, Watle SV, Kondé MK, Kéïta S, Kone S, Kuisma E, Levine MM, Mandal S, Mauget T, Norheim G, Riveros X, Soumah A, Trelle S, Vicari AS, Røttingen JA, Kieny MP.

1WHO, Geneva, Switzerland. Electronic address: henaorestrepoa@who.int.
Lancet. 2017 Feb 4;389(10068):505-518. doi: 10.1016/S0140-6736(16)32621-6. Epub 2016 Dec 23.
rVSV-ZEBOVは水疱性口内炎ウイルスとエボラ・ウイルス表面糖蛋白を使った遺伝子組換え型ワクチンである。ギニアとシエラレオネにおいて非盲検クラスター無作為化試験(Ebola Ça Suffit!)により有効性の評価を行った。患者との接触者、接触者の接触者のリスト(クラスター)を作成し、クラスターの中から1:1の割合で「即時ワクチン接種」群と「遅延ワクチン接種(21日後)」群に無作為に割付けした。ブロックによる無作為化および場所とリングサイズによる階層化を行った。無作為化は途中で安全性監視委員会により中止の指示をされた。主要転帰は無作為化10日以上を経て検査確定例とし、即時ワクチン接種者、遅延ワクチン接種者、および接触者の接触者、の3群間の発症率を比較した。
即時ワクチン接種の51クラスターの4,539名中2,119名、遅延ワクチン接種の47クラスターの4,557名中2,041名について検討した。無作為化後10日を経て即時接種者から発症例は認めなかった。遅延接種者から16例(7クラスター)の発症を認めた。ワクチン有効率は100%(95%CI 68.9−100.0、p=0.0045)であった。非無作為化19クラスターの接触者2,745名中1,677名に対して即時接種をした。遅延ワクチン接種者と即時接種クラスターの未接種者から23例(11クラスター)の発症があった。5,837名(成人5,643名と児194名)の接種者から84日間に有害事象報告が3149名(53.9%)あった。大部分が頭痛、倦怠感、および筋肉痛などの軽度なものであった。重篤有害事象は80件あり、そのうち2件(発熱反応1件、アナフィラキシー1件)は確定例、また1件(インフルエンザ様疾患)は可能性例であった。3件は後遺症なく回復した。
rVSV-ZEBOVワクチン接種によりエボラ出血熱が100%予防できるとの中間評価結果を得ることができた。
コメント
2013年12月頃からはじまった西アフリカのエボラ出血熱は、世界的な流行につながり1万人以上が死亡した。その後、先進国が共同して治療薬やワクチンなどの研究開発をはじめ、この度有望なワクチンができあがった。その有効性をフィールドで検討したものである。接触者の発症を100%予防できるというすばらしい成績であった。途上国の生活環境や医療事情を短期に改善するのは難しいのでワクチンの開発はエボラ出血熱の制圧につながる大きな成果である。
監訳・コメント:関西大学 社会安全学研究科 公衆衛生学 高鳥毛 敏雄先生
PudMed: