ループス腎炎のアウトカムを予測するバイオマーカーモデルの開発
Development of biomarker models to predict outcomes in lupus nephritis
Wolf BJ1,Spainhour JC, Arthur JM, Janech MG, Petri M, Oates JC.

1Medical University of South Carolina, Charleston
Arthritis Rheumatol. 2016 Aug;68(8):1955-63. doi: 10.1002/art.39623.
米国リウマチ学会のガイドラインは、ループス腎炎の治療について、初回治療法の効果が6ヵ月間みられなかった場合は治療法を変更するよう勧告しているが、効果の定義は不明確であり、この間に腎臓の線維化が生じるおそれもある。このため、治療効果をより正確に予測し、治療開始時期の指針となるツールが必要とされている。初回治療法歴のない病理学的に確認されたループス腎炎患者140例の尿検体を用い、一連の尿中バイオマーカーによるアウトカム予測能を解析した。個々のバイオマーカーのROC曲線を描出し、ランダムフォレストのアルゴリズムを用いた機械学習モデルのROC曲線下面積(AUC)を比較した。新規バイオマーカーと従来のバイオマーカーを併用したモデルと従来のバイオマーカーのみのモデルの比較では、併用モデルのAUCは従来のバイオマーカーのみのモデルのAUCを有意に上回り、併用モデルの臨床的に意義のあるアウトカム予測能が示された。最も予測能のあるバイオマーカーは、ケモカイン、サイトカイン、及び細胞の損傷であった。この研究により、ループス腎炎の治療効果を予測するために、基本バイオマーカーパネルと機械学習数学法による威力を始めて示した。このことは臨床的に有意義な決定をサポートする手段を開発するための研究の重要な第一歩を示している。
コメント
ループス腎炎に対する治療効果を予測することは極めて重大ではあるが、従来法では十分に予測することが出来なかった。本研究により、数学的な統計学的解析を行うことにより、可能性が見出せるかもしれないことが示唆された。
監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
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