関節リウマチと悪性リンパ腫のリスク:リスクは依然として高いか?
Rheumatoid arthritis and risk of malignant lymphoma: Is the Risk Still Increased?
Hellgren K1,Baecklund E, Backlin C, Sundstrom C, Smedby KE, Askling J

1Karolinska Institutet at Karolinska University Hospital, Stockholm, Sweden.
Arthritis Rheumatol. 2017 Apr;69(4):700-708. doi: 10.1002/art.40017
関節リウマチ(RA)患者は悪性リンパ腫を発現するリスクが高いが、この数十年間の治療法の変化を考えるとリスクは低下している可能性がある。スウェーデンのリウマチ関連のデータベース(Swedish Rheumatology Quality Register)を用い、1997から2012年にRAと診断された患者12,656例を同定し、診断後1年間の治療および炎症の活動性に関する情報を入手した。個々の被験者を対照10例とマッチングした。対照と比較した場合のRA患者のリンパ腫のハザード比(HR)は1.6(95%信頼区間[CI]1.2-2.1)であった。暦年に従ったリンパ腫のリスク低下は観察されなかった。メトトレキサートまたは腫瘍壊死因子阻害薬(TNFi)の使用に伴うリンパ腫のリスク増加も認められなかった(いずれもHRは0.9)RAの診断後1年間のコルチコステロイドの使用には、RAのリスク低下との関連が認められた(HR 0.5[95%CI 0.3-0.9])。診断後1年間の炎症活動性は、その後のリンパ腫のリスクの予測因子ではなかった。RA患者は一般の集団より慢性リンパ球性白血病の発現率が低く、ホジキンリンパ腫の発現率が高かった。この研究によって、RA患者のリンパ腫のリスクは依然として高いことが明らかとなった。
コメント
RA患者は一般に悪性リンパ腫の合併率が高いといわれていたが、大規模研究はなかった。特に近年メトトレキサートによるリンパ腫発現が注目され、一部の生物学的製剤又はJAK阻害剤での発現が懸念されている。本調査の1年間の結果では依然として高いことが示されたが更に1年以上の調査を要すると考えられる。
監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
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