パーキンソン病およびレビー小体型認知症における小脳の関与
Involvement of the Cerebellum in Parkinson Disease and Dementia with Lewy Bodies
Seidel K1, Bouzrou M, Heidemann N, Krüger R, Schöls L, den Dunnen WFA, Korf HW, Rüb U

1Dr. Senckenberg Chronomedical Institute, J. W. Goethe University, Frankfurt am Main, Germany.
Ann Neurol. 2017 Jun;81(6):898-903. doi: 10.1002/ana.24937. Epub 2017 Jun 2.
パーキンソン病またはレビー小体型認知症を有する患者の脳では、小脳前面の脳幹構造にαシヌクレインの蓄積がみられる。また、患者には静止時振戦、不安定な歩調、平衡感覚障害がみられ、これらは小脳機能不全と関連している可能性がある。そこでわれわれはαシヌクレイノパチーを有する患者12例の小脳をスクリーニングし神経病理学的な変化について調べた。
小脳核および隣接する白質には多数の凝集がみられたが、小脳葉における凝集はわずかであった。小脳における凝集という病態は、凝集のある小脳前面の構造物からのプリオン様の拡散を示唆している可能性があり、レビー小体型認知症患者とパーキンソン病患者が高度に均質であることは両疾患が同じ神経病理学的スペクトラムに属する可能性が高いことを示している。
コメント
パーキンソン病は中脳から線条体にいたるドパミン神経の障害であり運動障害が主徴をなすが、最近では非運動徴候として多彩な精神症状を呈するなど、神経精神変性疾患、多中心性神経変性疾患と考えられている。さらに運動徴候は小脳症状を示唆するものもあるが、パーキンソン病の小脳に関する報告は、病態や病理を含め少ない。今回、シヌクレオパチーとしてのパーキンソン病と同じくシヌクレオパチーでパーキンソン病に認知症が加わったと考えられているレビー小体型認知症の小脳についての検討で、病理学的に異常蛋白質の集積など障害があることが報告された。しかも、脳幹に近い小脳核や白質に多く、はなれた小脳葉には少ないとの結果であった。パーキンソン病の進展の仮説にBraak仮説、すなわち、異常化したシヌクレイン蛋白がプリオン病の進展同様に接触により拡大するというものである。今回の報告は、進展の方法を支持するばかりではなく、シヌクレオパチーとしてのパーキンソン病とレビー小体型認知症の両疾患が、病理学的には同一疾患の可能性も示唆させるものであり、今後も多数例での検討を要するが、興味があり取り上げた。
監訳・コメント:国立病院機構 大阪南医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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