パーキンソン病を有する薬物療法未施行患者およびL-ドパ療法施行患者における皮膚細径線維および大径線維の喪失
Loss of cutaneous large and small fibers in naive and L-dopa-treated PD patients
Nolano M1, Provitera V, Manganelli F, Iodice R, Stancanelli A, Caporaso G, Saltalamacchia A, Califano F, Lanzillo B, Picillo M, Barone P, Santoro L

1From the Neurology Department (M.N., V.P., A.S., G.C., A.S., F.C., B.L.), Istituti Clinici Scientifici Maugeri SpA Società Benefit, IRCCS Telese Terme, Benevento; Department of Neurosciences, Reproductive Sciences and Odontostomatology (F.M., R.I., L.S.), University Federico II of Naples; and Centre for Neurodegenerative Diseases (M.P., P.B.), Department of Medicine and Surgery, Neuroscience Section, University of Salerno, Italy. maria.nolano@icsmaugeri.it.
Neurology. 2017 Jul 26. pii: 10.1212/WNL.0000000000004274. doi: 10.1212/WNL.0000000000004274. [Epub ahead of print]
本研究の目的は、早期のパーキンソン病を有する薬物療法未施行患者およびL-ドパ療法施行患者において、神経障害性の電気生理学的異常が発生する前の小径線維および大径線維障害の病態を研究することであった。
ニューロパシーの電気生理学的徴候がない特発性パーキンソン病患者85例(男性49例、女性36例、年齢61.3±9.7歳)を組み入れた。このうち48例はL-ドパ療法未施行であった。患者は感覚神経および自律神経の臨床的、機能的、および形態的評価を受けた。無毛皮膚および有毛部皮膚のパンチ生検も実施した。
患者では、対照に比べ表皮内神経線維の密度が調べたすべての部位で低かった(P<0.001)。症状の強い側で神経線維の喪失がより大きかった(P<0.01)。血管、汗腺、立毛筋、無毛皮膚のマイスナー小体とその有髄終末に自律神経の喪失がみられた(P<0.001)。患者には、触覚および温覚の閾値上昇、機械的な疼痛知覚の障害、および発汗量の低下がみられた(P<0.001)。
コメント
パーキンソン病の末梢神経障害に関する報告は少ない。しかし、しびれや痛みを訴える患者は多い。この乖離の一因は、神経伝導速度などの電気生理学的検査で評価できるのは,Aα,Aβ,B線維などの大径線維large fiberに限られるからと考えられる。本報告は電気生理学的検査異常が出る前のパーキンソン病患者に皮膚生検を含め様々な手法で、末梢有髄神経Aδ線維(1から3μm)と無髄神経C線維(0.2から1.0μm)という小径線維を評価し、その異常を指摘したものである。小径線維障害は,疼痛やしびれの病態として考えられ,パーキンソン病の疼痛の起源が、従来の中枢性に加え末梢神経障害性の可能性を示唆させるものであり、興味があり取り上げた。
監訳・コメント:国立病院機構 大阪南医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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