米国の神経内科レジデントおよびフェローにおける燃え尽き症候群、仕事への満足度、および幸福度(2016年)
Burnout, career satisfaction, and well-being among US neurology residents and fellows in 2016
Levin KH1, Shanafelt TD, Keran CM, Busis NA, Foster LA, Molano JRV, O'Donovan CA, Ratliff JB, Schwarz HB, Sloan JA, Cascino TL

1From the Department of Neurology (K.H.L.), Cleveland Clinic, OH; Division of Hematology (T.D.S.), Division of Biomedical Statistics and Informatics (J.A.S.), and Department of Neurology (T.L.C.), Mayo Clinic, Rochester, MN; Member Insights Department (C.M.K.), American Academy of Neurology, Minneapolis, MN; Department of Neurology (N.A.B.), University of Pittsburgh School of Medicine, PA; Department of Neurology (L.A.F.), Brigham and Women's Hospital, Boston, MA; Department of Neurology and Rehabilitation Medicine (J.R.V.M.), University of Cincinnati College of Medicine, OH; Department of Neurology (C.A.O.), Wake Forest University, Winston-Salem, NC; Department of Neurology (J.B.R.), Thomas Jefferson University, Philadelphia, PA; and Department of Neurology (H.B.S.), University of Rochester School of Medicine and Dentistry, NY. levink@ccf.org.
Neurology. 2017 Aug 1;89(5):492-501. doi: 10.1212/WNL.0000000000004135. Epub 2017 Jun 30
本研究の目的は、米国で神経内科のレジデントおよびフェローを対象に燃え尽き症候群の有病率、仕事への満足度、幸福度、およびその寄与因子を検討することであった。米国神経学会(American Academy of Neurology)に所属する米国の神経内科レジデント・フェロー計938例を対象に、2016年1月19日から3月21日に、調査を実施した。
回答率は37.7%(354/938)であった。回答者の約2/3はレジデント、1/3はフェローであった。回答者の年齢は中央値で32歳、51.1%が女性であった。レジデントの73%およびフェローの55%が燃え尽き症候群の症状を1つ以上有していた。レジデントでは、ワークライフバランスへの満足度が高いこと、仕事の意義への満足度が高いこと、および年齢が高いことが燃え尽き症候群のリスクが低いことと関連した。フェローでは、ワークライフバランスへの満足度が高いこと、および有能なサポートスタッフがいることが燃え尽き症候群のリスクが低いことと関連した。米国の神経内科研修医の燃え尽き症候群を減らし、仕事への満足度と幸福度を高める手法を検討するべきである。
コメント
米国神経学会所属の神経内科研修医の研修システム中における突然の無気力などの、いわゆる燃え尽き状態の詳細な報告である。アメリカと日本では研修システムも異なるが、レジデントとフェローを合わせたものが、ほぼ日本の後期研修医に相当する。本報告で、レジデント、フェロー両群とも、ワークライフバランスの欠如、および仕事の意義が感じられないことは、仕事への満足度の低下および燃え尽き症候群のリスク上昇と関連した。また、フェローでは良い指導者がいないことも燃え尽きにつながることが示された。診ている疾病の内容、すなわち急性期疾患を多く診ている、慢性疾患が多いなどにもよると考えられるが、本邦においては、仕事の意義を見出し易くなるシステム作り、日本神経学会あげての専門的指導方法の構築などが必要であろう。現在、本邦では専門医制度の変革が行われおり、参考にすべき論文と考えられ取り上げた。
監訳・コメント:国立病院機構 大阪南医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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