関節リウマチにおけるシトルリン化エピトープおよび非シトルリン化エピトープに対する自己抗体に関するフェノムワイド関連研究
Phenome-wide association study of autoantibodies to citrullinated and noncitrullinated epitopes in rheumatoid arthritis
Liao KP1,Sparks JA, Hejblum BP, Kuo IH, Cui J, Lahey LJ, Cagan A, Gainer VS, Liu W, Cai TT, Sokolove J, Cai T.

1Brigham and Women's Hospital and Harvard Medical School, Boston, Massachusetts
Arthritis Rheumatol. 2017 Apr;69(4):742-749. doi: 10.1002/art.39974.
関節リウマチ(RA)患者には、さまざまな抗原に対する自己抗体が認められる。これらの自己抗体の臨床的重要性を明らかにするため、フェノムワイド関連研究(PheWAS)の手法を用い、自己抗体とRAの臨床的サブフェノタイプとの関連を調査した。第三次医療センター2施設の医療記録からRA患者1,006例を特定し、RAに関与するエピトープ(シトルリン化、非シトルリン化は問わず)を標的とする36の自己抗体を選定し、測定を行った。一方で、これらのRA患者のICD-9コードを調査し、疾患のカテゴリー(PheWASコード)に従って分類した。合計で3,568のICD-9コードを収集し、625のPheWASコードに分類した。このうち、有病率3%以上のPheWASコードを解析対象とした。PheWASコードと自己抗体との有意(偽陽性率10%以下)な関連は24通り認められたが、このうち最も関連が強く、PheWASコードの陽性適中率(PPV)が高かったのは、フィブロネクチンに対する自己抗体と肥満(P=6.1×10^-4、PPV 100%)、フィブリノゲンに対する自己抗体と肺障害(特発性器質化肺炎および閉塞性細気管支炎)(P=2.7×10^-4、PPV 96%)であった。
コメント
RA患者ではRF、抗CCP抗体等多くの自己抗体が存在するが、この自己抗体とRAの病態意義は不明なものが多い。そこで遺伝子ではなく自己抗体とRAの症状との関連をPheWASを使用して検討した。しかしながら、わずかにフィブロネクチンに対する自己抗体と肥満RA患者、およびフィブリノゲンに対する自己抗体と器質化肺疾患とで関連性が認められたのみであった。これが病因または病態とどのように関連するのかは不明である。
監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
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