脳小血管病において、MRIによるマルチモーダルマーカーの変化が認知症リスクを予測
Change in multimodal MRI markers predicts dementia risk in cerebral small vessel disease
Zeestraten EA1, Lawrence AJ, Lambert C, Benjamin P, Brookes RL, Mackinnon AD, Morris RG, Barrick TR, Markus HS.

1From the Neuroscience Research Centre (E.A.Z., C.L., P.B., T.R.B.), Cardiovascular and Cell Sciences Research Institute, St George's University of London; Stroke Research Group (A.J.L., R.L.B., H.S.M.), Clinical Neurosciences, University of Cambridge; Atkinson Morley Regional Neuroscience Centre (A.D.M.), St George's NHS Healthcare Trust; and Department of Psychology (R.G.M.), King's College Institute of Psychiatry, Psychology, and Neuroscience, London, UK. p1207006@sgul.ac.uk.
Neurology. 2017 Oct 4. pii: 10.1212/WNL.0000000000004594. doi: 10.1212/WNL.0000000000004594. [Epub ahead of print]
本研究の目的は、脳小血管病を有する患者において、拡散テンソル画像(diffusion tensor imaging:DTI)などのMRIマーカーを用いて認知機能低下および認知症を予測できるかどうかを検討することであった。
前向き試験であるSt George's Cognition and Neuroimaging in Stroke試験において、脳小血管病を有する患者99例から成るコホートを対象にマルチモーダルMRIを年1回3年間、および認知機能評価を年1回5年間実施した。脳小血管病は、症状のあるラクナ脳梗塞および融合性の白質高信号域(white matter hyperintensity:WMH)と定義し、WMHの進行、脳容積、ラクナ、微小脳出血、およびDTI評価(平均拡散率ヒストグラム分布の規格化されたピーク高さ)を確認した。
5年間の追跡調査において、患者18例(18.2%)で認知症への進行を認めた。WMHの増加、およびDTIで確認した白質微細構造の悪化が認知症への進行を予測した。
コメント
今回、前向き縦断研究で、認知機能の変化が検知できない期間中に、DTIなどのMRIを用いた評価尺度の変化から認知機能低下および認知症への進行を予測できるというエビデンスが提供された。新しいラクナの存在、およびDTIで確認した白質微細構造損傷の増加率は特に評価尺度として重要のようである。以前、修道女の追跡研究の通称the NUN studyでアルツハイマー病の病理学的変化があっても認知症状を呈する場合と呈さない場合があり、呈する場合の機序の推測の一つとして、今回示された脳小血管障害が推測されていた。本報告はそれを支持するものであり、画像診断の進歩とともに興味ある報告と考え取り上げた。
監訳・コメント:国立病院機構 大阪南医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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