活動性関節リウマチ患者を対象とした第IIb相試験においてバリシチニブが脂質、アポリポ蛋白およびリポ蛋白粒子のプロファイルに及ぼした影響
Effects of baricitinib on lipid, apolipoprotein, and lipoprotein particle profiles in a phase IIb study of patients with active rheumatoid arthritis
Kremer JM1,Genovese MC, Keystone E, Taylor PC, Zuckerman SH, Ruotolo G, Schlichting DE, Crotzer VL, Nantz E, Beattie SD, Macias WL

1Albany Medical College, Albany, New York
Arthritis Rheumatol. 2017 May;69(5):932-942. doi: 10.1002/art.40054.
JAK阻害薬の過去の試験で脂質パラメータの上昇が観察されていることから、JAK阻害薬バリシチニブが中等度から重度の関節リウマチ(RA)患者の脂質プロファイルに及ぼす影響を検討した。RA患者301例を、バリシチニブ(1、2、4、または8 mg)あるいはプラセボの1日1回の投与に無作為に割り付けた。12週後、バリシチニブ1 mg群および8 mg群では、LDLコレステロール値(それぞれ3.4 mg/dLと11.8 mg/dL)、HDLコレステロール値(3.3 mg/dLと8.1 mg/dL)、およびトリグリセリド値(6.4 mg/dLと15.4 mg/dL)がベースラインと比べて用量依存的に増加した。4 mg群と8 mgのみで評価されたアポリポ蛋白A-I、B、CIIIは、ベースラインと比べて4 mg群でそれぞれ9.5%、6.8%、および23.0%、8 mg群でそれぞれ12.2%、7.1%、および19.7%増加したが、LDLと結合したアポリポ蛋白CIIIの増加は観察されなかった(4 mg群では-4.5%、8 mg群では-9.0%)。12週後のHDLコレステロールの増加には、疾患活動性スコアおよびSimplified Disease Activity Indexの改善との相関がみられたが、総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリドについてはそのような相関は観察されなかった。24週の投与期間を通して血清中の脂質の増加が認められた。
コメント
すでにIL-6阻害のトシリズマブ治療において、脂質の上昇が示され、HDL/LDL指数の上昇がなく、血管イベントの増加もありません。トシリズマブと同じくこの度JAK1、JAK2阻害のバリシチニブも同様の結果が得られています。トファチニブも同様です。しかも疾患改善とHDLの上昇が一致しているとのことです。著増の場合は治療を要すると思われますが、微増なら経過観察で良いと思われます。
監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
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