カフェインとその代謝産物の血清濃度は、早期パーキンソン病の信頼できるバイオマーカー
Serum caffeine and metabolites are reliable biomarkers of early Parkinson disease
Fujimaki M1, Saiki S, Li Y, Kaga N, Taka H, Hatano T, Ishikawa KI, Oji Y, Mori A, Okuzumi A, Koinuma T, Ueno SI, Imamichi Y, Ueno T, Miura Y, Funayama M, Hattori N.

1From the Department of Neurology (M.F., S.S., Y.L., T.H., K.-I.I., Y.O., A.M., A.O., T.K., S.-I.U., Y.I., M.F., N.H.), Research Institute for Diseases of Old Age (M.F., N.H.), and Laboratory of Proteomics and Biomolecular Science (N.K., H.T., T.U., Y.M.), Juntendo University School of Medicine, Tokyo, Japan.
Neurology. 2018 Jan 30;90(5):e404-e411. doi: 10.1212/WNL.0000000000004888. Epub 2018 Jan 3.
パーキンソン病患者108例および年齢をマッチさせた健康な対照31例から採取した血清中のカフェインおよびその11種類の代謝産物の濃度を、液体クロマトグラフィー質量分析法で調べた。カフェイン関連遺伝子の変異をダイレクトシーケンス法によりスクリーニングした。
カフェインおよびその9種類の下流代謝産物の血清濃度は、早期のパーキンソン病患者でも有意に低下しており、カフェイン総摂取量や疾患の重症度とは関連しなかった。運動症状の合併症を有するパーキンソン病患者のカフェイン濃度は、運動症状の合併症がない患者に比べ有意に低かった。アデノシン2A受容体をコードするADORA2A遺伝子の一塩基変異と疾患の重症度とのあいだに関連は認めず、受容体感受性の変化と表現型の解離が示された。受診者動作特性曲線解析により、カフェインとその代謝産物の血清濃度のプロファイルは、診断バイオマーカーとなる可能性があることが確認された。
コメント
ドパミン神経系はいわゆる報酬系といわれ、快感や満足と関連するが、この障害の代表的疾患がパーキンソン病である。一方、カフェインは抑制系を抑えることを介してドパミン神経系を賦活すると考えられている。本報告は、パーキンソン病では、カフェインの低下があり、抑制系を抑えられなくなり、ドパミン系の機能の低下を生じるのではないかとの仮説を証明した研究である。これまでの疫学研究および実験的研究により示されているカフェインの神経保護作用と一致しており、カフェインとその代謝産物の絶対濃度プロファイルの低下は、早期パーキンソン病の有望な診断バイオマーカーであることが判明した。診断と治療法開発にもつながる価値ある研究と考えられ取り上げた。
監訳・コメント:国立病院機構 大阪南医療センター 神経内科 狭間 敬憲先生
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