関節リウマチ患者の近親者の喀痰では抗シトルリン化蛋白抗体は好中球細胞外トラップと関連がある
Anti-citrullinated protein antibodies are associated with neutrophil extracellular traps in the sputum in relatives of rheumatoid arthritis patients
Demoruelle MK1,Harrall KK, Ho L, Purmalek MM, Seto NL, Rothfuss HM, Weisman MH, Solomon JJ, Fischer A, Okamoto Y, Kelmenson LB, Parish MC, Feser M, Fleischer C, Anderson C, Mahler M, Norris JM, Kaplan MJ, Cherrington BD, Holers VM, Deane KD

1University of Colorado Denver at Aurora
Arthritis Rheumatol. 2017 Jun;69(6):1165-1175. doi: 10.1002/art.40066. Epub 2017 May 2.
関節リウマチ(RA)の自己免疫は粘膜部位で開始されることが研究によって示唆されている。RAのリスクを有する人々におけるこうした自己免疫発生の関連因子を明らかにするため、RA患者の第一度近親者(FDR)67例およびRA患者20例を対象として、喀痰中のIgAおよびIgG抗環状シトルリン化ペプチド(抗CCP)抗体、細胞数、好中球細胞外トラップ(NET)、およびシトルリン値を評価した。RA患者20例中14例(70%)とFDR 67例中17例(25%、血清中抗CCP抗体陰性例を含む)は、喀痰中のIgA抗CCP抗体および/またはIgG抗CCP抗体陽性であった。FDRでは、喀痰中のIgA抗CCP抗体およびIgG抗CCP抗体の増加と、喀痰中の細胞数およびNETレベルの増加との関連が認められた。IgA抗CCP抗体は、喫煙歴および喀痰中シトルリン値と関連があった。FDRでの喀痰中抗CCP抗体の増加は、これらの集団では肺が抗CCP抗体の発生部位であることを示唆している。また、FDRにおいて抗CCP抗体の増加と細胞数およびNETレベルの増加との関連が認められたことから、局所的な気道の炎症およびNETの形成が肺での抗CCP抗体の産生を誘導し、初期のRAの発現を促進するとの仮説が裏付けられた。
コメント
RAの発生機序は様々に云われているが、その中の一つにタバコによる発症憎悪が示唆されている。今回の論文はその端緒にせまる一つの所見と考えられる。FDR、RAいずれも喀痰に抗CCP抗体がみられ、特にFDRにおいて顕著に認められることから、上気道、肺から産生され、RA発症を強く示唆している。
監訳・コメント:大阪大学 産業科学研究所 吉崎 和幸先生
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